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2011年5月10日 3月議会の焦点・論点(その3)…住民合意なき屋代線廃止

3月議会の一大焦点、屋代線存続問題について、沿線の住民自治協議会から提出されていた「屋代線実証実験の継続を求める請願」を「継続審査」とすることに反対討論しました。法定協議会で廃止を決め、市行政が追随し、代替バス運行計画の検討が始まっている今もなお、沿線の想いは「何とか鉄路を残したい」に尽きます。
鉄路の存廃はまちづくりの根幹にかかわる問題です。屋代線の存廃問題における議論は、地域公共交通の活性化をいかに図るのかという基本問題に加え、二元代表制における議会のスタンスと役割、住民自治協議会の役割と権限、行政との関係を問うものとなっています。
ブログと重なる部分が多いのですが、反対討論の内容を掲載します。

 23番、市民ネット、布目裕喜雄です。
 
請願第1号「長野電鉄屋代線の実証実験の継続を求める請願」を継続審査とした総務委員会委員長報告に「反対」の立場で討論します。
 3月14日、請願を継続審査とした総務委員会を傍聴していた松代・若穂住民自治協の代表は、次のように語りました。
 「何も言うことがない。あきれている。まとめてもらおうと請願書を修正したにもかかわらず、採択にならない。議会とは一体何なんだという不信感。そして住民自治協議会とは何なんだ、疑問というより怒りを覚える」(松代)
 「継続審査は事実上の否定だ。公的支援による鉄路の存続を検討してほしいというのが請願の趣旨、検討すらしないということは理解しがたい」(若穂)

 かかる請願について、採択できるよう努力してきた一人として、力不足を痛感するとともに、議会の存在意義の根幹と議会への信頼が問われていると全議員に訴えたいと思います。
 総務委員会で、継続審査を主張した理由はおおよそ三つあります。一つは、法定協議会の決定を尊重しなければならない委員が、請願人となり、法定協への意見書提出を求めることは問題であること。二つは、法定協の廃止決定は重く、既に長野電鉄が廃止を表明している中で、「長野電鉄屋代線」という呼称や実証実験の継続は無理があること(この点は委員長報告には入っていないが)。三つに、もう少し様子を見て深い議論をする必要があること、です。
 これら三つの理由は、継続審査にしなければならない理由になっていないといわなければなりません。
 一つに、法定協議会の決定事項に対する尊重義務は、国民の請願権を制限するものではないこと、しかも住民を代表する自治協議会から提出された請願であることを重く受け止める必要があるということです。
 二つに、長野電鉄屋代線は固有名詞であって、廃止届が出されようとも来年3月末までは屋代線は運行されることは明白、屁理屈に過ぎないということです。
 三つに、様子を見るということはバス代替の既成事実化を容認することにほかならず、結果として沿線住民の思いに背を向けることになるということです。
 委員長報告では、「地元では署名活動が行われており、地元住民の思いはどういったものなのか、きちんと見極めなければならない」と継続の理由が述べられましたが、既に2万3千人を超える署名が市長に提出されたことからも、地元住民の思いは歴然としているのではないですか。
 結局のところ、「継続審査」という名の「不採択」だと言わざるを得ません。「鉄路の存続の検討は無理。自治協からの請願だけに無碍にはできない。だから継続審査にしておこう」との思いが透けて見えてくると思うのは、私一人ではないと思います。
 委員会では、採択する方向に向かってなお努力しようと、暫時休憩とする中で、自治協の代表を交えて請願書の訂正が協議され、結果、訂正後の請願は、請願趣旨から「長野電鉄」の字句が削除、「屋代線」は「鉄路」に置き換え、そして「活性化協議会に対する意見書の提出」部分の削除、さらに請願事項において「屋代線存続に向けた実証実験の継続」部分を削除し、「住民の意向を尊重し、公的支援による新しい運営スキームによる鉄路の存続について検討すること」にまとめられました。
 これでまとまったものと思ったのも束の間、再開された委員会では、「住民自治協の皆さんの気持ちを大事にするという観点から継続審査とすべき」との発言で、委員長を除く9人の内5人が賛成し、継続審査となりました。

 沿線の住民組織の代表である自治協の意見を大事にするというのであれば、請願を採択し、沿線住民と一緒になって、上下分離や第三セクター方式の導入等について検討しなおし、存続への可能性を真剣に探ることこそが求められている、このことは自明の理でしょう。
 結局のところ、法定協議会の廃止決定を優先尊重するのか、沿線利用者を代表する住民自治協議会の民意を優先尊重するのか、議会としての基本スタンスが問われた問題なのです。すなわち、議員が何処に拠って立って議会活動を行うのか、という基本問題であると考えます。
 法定協議会の決定が重いこと自体を否定はしませんが全てではありません。何故なら、協議会の規約、構成、協議の進め方について疑義は残ったままであり、沿線代表は受け入れがたいと一貫して主張し続けているからです。行政には尊重義務があっても、議会は拘束されていません。行政と議会の対応が異なる事態の中で、市民の意思を汲みながら着陸点を探すこと、何よりも市民が納得できる方策を見出すことこそが政治の仕事です。
 廃止届が提出されてから鉄路が再生された事例は多くあります。しかも、屋代線の利用者は今年1月では4万3千人を超え、今年度のトータルで50万人の利用者となる可能性が出ています。10年くらい前の水準に戻るのです。鉄路存続への可能性を検討する道を議会自らが閉ざしてはならない。採択して「深い議論」をすべきであることを強く訴えたいと思います。
 最後に、改めて請願団体の声を心に刻みたい。『請願事項を修正し、「検討することを求める」ことすら認めようとしない議会は、一体何なのか』、この自治協役員の言葉をかみしめたいと思います。
 議員が拠って立つ基盤はどこにあるのか、継続審査を主張した議員の皆さんに、このことを訴えて、反対討論とします。