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2010年9月30日
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9月議会での質問から(その1)…市民会館は現在地での建設に切り替えを

 9月議会、私の一般質問のやり取りをまとめました。
 その1    市民会館は現在地での建設に切り替えを
 その2    「命のホットライン」、高齢者緊急通報システムは無償で拡充を
 その3    がん検診等の値上げは凍結を
 その4   幻の質問…北信地域の消防広域化は、住民の安全の向上につながるのか 
本会議での質問をインターネット中継放送で見ることができます。こちらです。 

まちづくりへの効果が不透明な権堂東街区案
将来負担が少ない堅実な現在地案で
 9月議会の一般質問では多くの議員が市民会館問題を取り上げました。全員が温度差こそあれ、「市が示している権堂・東街区案で本当に良いのか」といった視点からの質問でした。
私も、長野市民会館の建て替え問題を取り上げ、権堂・東街区での建設ではなく、「次善の策」としてきた「現在地案」を速やかに決定し、市民が日常的に集える素晴らしい文化芸術活動の拠点を整備すべきと質しました。

市民の声と乖離する市行政

 地域から寄せられる声は…「そもそもイトーヨーカドーが再開発事業に参加できないとした時点で、権堂での計画はご破算なんじゃないの」「どうして、こんなに権堂に固執するのかね」「飲み屋街・繁華街に文化施設をつくるよりも、現在地でいいんじゃないの」「なんか大型店のための文化施設みたいで本末転倒なんじゃない」「でもいろいろ言っても、権堂で決まりなんでしょう。何を言っても変わらないのでは」などなど、疑問やあきらめの声です。
 市長、市行政と市民との間に大きなかい離があるといわなければなりません。この乖離はどこから生まれてきているのか。それは期待される効果、文化芸術拠点としての創造性・発展性とまちづくりへの効果が不確実・不透明だからです。


権堂案から現在地案へ切り替えを…三つの理由
 私は、《一つに》東街区案は当初の再開発事業を大きく変更したものであり、基本構想段階で示した再開発事業とは別の計画になっていること、《二つに》トーヨーカドーの営業継続を含め、権堂の活性化、まちづくりへの効果は「期待」、「願望」であって確実性が不透明なこと、《三つに》市民にとって将来負担となる事業費は、現在地の方が東街区案より18億円も少なくて済むことから、権堂地区の活性化と市民会館建設を切り離し、次善の策としてきた「現在地」での建設を速やかに決定すべきであると質しました。

権堂案にのめり込む市側
 市長は「市民会館だけで権堂の再生や活性化が図れるとは考えていない。商店街による取り組みが必要」とする一方で、「現在地周辺は商業集積度が低く、波及効果は限られ、まちづくり効果が限定的だから、権堂東街区とした」と強調、「権堂案は市民会館建設の基本構想に掲げた『人と環境にやさしい文化芸術創造のステージ』の構築を図るもので、まちの真ん中とも言える商業地に文化芸術拠点を設けることで、中心市街地ににぎわいを取り戻すという明確な目的をもって提示したもの、使命感を持って進める。長野市の将来にプラスになると確信を持っている」とますます権堂案にのめり込む姿勢を露わにします。「中心市街地活性化の起爆剤に」と強調しますが、問題は「起爆剤」になる根拠が市民の理解を得るものとはなっていないことです。

「ヨーカドーの営業継続に、確証はない」と市長
 まちづくりへの効果のいわば前提条件となるイトーヨーカドーの営業継続の見通しを質すと、市長は「確証がない」と答弁、権堂地区の活性化の可能性が極めて不確実なものであることを認めました。確証すらないことに市民会館を含む再開発事業に125億円も投資すること(庁舎を含むと140億6千万円、これに連絡デッキなどが加算)が、本当に市民の利益にかなうことなのでしょうか。確かにヨーカドーは必要な大型商業施設です。ヨーカドーに残ってもらうための市民会館では、本末転倒といわなければなりません。ヨーカドーの営業継続にあたっては、4階への公益施設の導入にとどめ、長野電鉄との契約更新に臨んでもらうということで良いのではないでしょうか。

権堂地区の活性化はまず真ん中から
 権堂地区の活性化は、地区周辺の整備よりも地区の真ん中から、すなわち映画館・相生座のあるA地区、旧富貴楼のC地区の再開発を進展させる方が、活性化への効果が期待できると考えます。年間50万人が利用するグランドシネマズの効果、その中でのマクドナルド権堂店の撤退の背景などを検証すべきです。そして何よりも、権堂商店街の個店の魅力の回復こそが先決です。商店街活性化条例を活かし、個店の魅力、ひいては商店街の魅力を磨き高めることに力を注ぐ必要があるります。
 これに対して市側は「周辺部と中心部の一体となったまちづくりが必要」とする一方、「A・C地区ともまだ構想段階で、事業の熟度は高まっているとは言えず、時間が必要」とし、「権堂地区の活性化の起爆剤として、東街区に市民会館は最適地」だと繰り返し強調します。

メインホール規模を見直し、現在地案での制約、緩和を
 基本構想では音楽専門性を高めるメインホール1,500人、演劇にも使えるサブホール300人の規模が打ち出されています。しかし、1,500人規模のホールが必要なのでしょうか。維持管理費の問題もあります。市文化芸術協議会の会長は特別委員会で「1,000人規模でも支障はない」と答えています。現会館の利用率も1,000人未満で8割を占めています。1,000人程度のホールとすることで、施設が一回りコンパクトになり、敷地面積の有効活用につなげることができるのではないでしょうか。
 市側は「1,000人規模は想定していない。市民ワークショップや建設検討委員会での議論を踏まえ、基本計画の中で決定していきたい」としています。

総事業費で比較すると「現在地」が一番少ない
 現在地案の検証では、併設する場合で現市民会館跡地に二つの施設をつくる案と、市民会館と第一庁舎をそっくり建て替える案などが、9月議会の最終日に示されました。現市民会館跡地に2施設を平成で建設する場合は125.6億円で15億円縮減に。また、そっくり建て替える案では仮移転庁舎が必要となり、市民にも不便を及ぼすことになりますが、総事業費では133億3千万円で、権堂案より7億3千万円縮減されます。将来負担を考えれば、有力な建設地なのではないでしょうか。

もっと市民の声を!再度の説明会の道開く
 市民会館問題を取り上げた議員の多くが、異口同音に「9月末までに決定は性急すぎる。もっと市民の意見を聴くために、決定時期を遅らせ、さらに説明会を開くべき」と求めました。議会冒頭段階で、具体的な提示があるものと考えていましたが「決定時期について検討する」との姿勢にとどまったため、私は「本会議の質問のタイミングで具体的な示すべき」と強く迫りました。
 一般質問の最終日・10日に「意見募集の期間を10月15日までとし、決定時期を10月末とする。説明会は再度開く」との市長答弁につながりました。説明会は3会場で開かれます。【詳細は9月23日の市議会トピックスを参照】

 9月議会の最終日・21日には「現在地案の検証結果」「東街区案での検証結果」が示されました。また24日には市民会館建設検討委員会が開かれ、新たな局面を迎えています。
 【関連ページ】
 10.09.23 市民会館…権堂では関連事業費14億円、
         現在地では建設可能な具体を示す
 10.09.24 市民会館は「東街区での建設を前提に議論を」へ!
         …建設検討委員会にかかる軌道修正

 10月5日に市民ネットで「市民会館公聴会」を開きます。ぜひご参加いただきご意見を頂戴したいと思います。

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