今日の話題
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2010年8月16日
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安茂里地区・元気なまちづくり市民会議

160人の住民が参加し意見交換

 8月11日の夜、安茂里地区の「元気なまちづくり市民会議」が開かれました。毎年、市長をはじめ市役所の関係部長らが出席し、地域課題を要望し地域住民と意見交換する場です。160人の住民が参加しました。今年の課題は、空き家となっている敷地内で放置される樹木等への対応と、交通事故防止対策の強化の二つ。また自由討議では、住民自治協議会の拠点づくりへの支援や青少年健全育成のための巡回指導・環境浄化活動に伴う権限・身分の付与、さらに実証運行が始まっている安茂里地区の地域循環バス運行(乗合タクシー)の起終点をバスターミナルから長野駅に延長することなどについて要望されました。
市の空き家率は14%、私権制限の困難さが浮き彫りに
 総務省の住宅・土地統計調査によると長野市の空き家率は14.0%で県の19.2%(全国2位)よりも低いものの、全国平均の13.1%を上回っています。長年、放置状態となっている空き家への対応は市内だけの問題ではありませんが、私権に及ぶ問題であり、行政も簡単に手が出せる問題ではありません。地権者を調査し、適正に管理するよう要請するしかないのが現実です。市でも道路拡張や施設整備の公共事業を進める際に、地権者の特定と協力が大きな壁になっています。「供託」等によって公の権力・権限の行使を担保できないか、いろんなことを考えているようですが、私権を基本とする法秩序の前には、如何ともしがたい状況となっています。市は、空き家を地域のお年寄りが集うカフェやサロンとして有効活用を図る提案を行いましたが、このような活用が図れる余地があれば、近隣問題は起きないのですけどね。「公共の福祉」の観点から、合理的な私権制限に踏み込む法整備が必要な時代なのでしょうか。

小学生への安全運転免許証、検討へ
 安茂里地区では昨年11月から僅か4カ月の間に交通死亡事故が3件発生し、2度目の「高齢者交通安全モデル地区」に指定されたことから、交通事故防止対策が課題となりました。ハード面では、「安心歩行エリア」や「セーフティアップ道づくり」などの市の取り組みを紹介し、地域と連携し取り組みを強めていくとする回答がされました。ソフト面では、交通安全ポイント制度の創設や小学生に対する安全運転免許証の交付などの具体的な提案に対し、ポイント制度は直ちに実施することは困難としつつも、小学生への免許証交付は、警察や小学校と検討していきたいと回答されました。住民の皆さんのアイデアを活かし、議会で詰めていきたいと思います。

自治協の拠点…既存施設の有効活用で新たな提案
 住民自治協議会の拠点である事務所が手狭なことに対し、市は支所・公民館に隣接する西部保健センター内の保健指導室の活用、ボランティアの拠点として公民館・小市分室の活用を案として示しました。使い勝手や地理的な問題が残るものの、既存施設の有効活用を考えるとやむを得ないところかもしれません。とはいえ、支所・公民館のスペースの有効活用について、施設管理の問題を含めて、自治協の自主性、主体性を尊重し、一定の権限というか裁量を付与していくことが求められているのではないかと考えます。

少年育成委員、自治協の委嘱で
 地域で巡回指導などにあたる少年育成委員を市の委嘱職にとの要望に対しては、市は困難として「自治協議会からの委嘱」を案として示し、市少年育成センターが地区の主体性を尊重しながら連携して活動を進めたいとしました。現在は、学校少年育成委員(市が教員を委嘱)や少年警察ボランティア(県警が委嘱)の皆さんが、一定の身分と権限をもって巡回指導にあたっています。こうした皆さんとの連携をどのように図るかが現実的な課題と思われます。

 青少年育成活動に限らず地域貢献活動が、地域から認知され、ボランティアの皆さんの意欲とやりがいが保障されることは重要なことです。身分について「行政のお墨付き」を求める意見は、わからないわけではないですが、やはり、住民自治とは対極にあるのではないでしょうか。自治協議会からの委嘱とは住民から委嘱されるということ、住民同士がまちづくりのために互いに役割を負託しあう関係を構築していくことが住民自治の発展の出発点だと考えます。そのためには、自治協議会が住民から住民の代表実組織として広く認知されていなければなりません。このことが発展途上であるが故にでてくる問題でしょう。
 自治とは何ぞや?協働とは何ぞや?…この共通認識の醸成を図るための「学びの場」が必要だと思います。尤も、どのように具体化するのかが課題なのですが…。
安茂里乗合タクシー、長野駅に乗り入れを要望
 6月から始まった交通空白地域での乗合タクシーの実証運行は、目標利用者数23人/日に対し、安茂里地区では22.1人で、目標クリアーにあと一歩という利用状況です。とくに平柴、平柴台、杏花台の皆さんの利用率が高く、喜ばれています。JR安茂里駅とバスターミナルを起終点とする運行路線は、計画段階からJR長野駅への乗り入れを求める声が強かったのは事実で、私も当該地域の皆さんから「なんとかしてよ」と要望を受けてきました。

 交通空白地域の公共交通網の整備は、JRや路線バスとの接続を図り、利便性を高めようとの趣旨でスタートしたことから、既存の鉄道駅や路線バス停留所を起終点としています。交通事業者との合意のもとに実施されているだけに、こうした基本を変更することは、かなりのパワーが求められることになります。
 とはいえ、バスターミナルで降車し、長野付近まで歩かなければならないとの不便さは、高齢者の皆さんにとっては「しんどい」ことであり、利用しようとの気持ちを萎えさせてしまうことも事実です。「市民の足」として定着を図ることが肝心です。ターミナルで降車した皆さんの次の交通手段の調査などを実施し、その上で、鉄道等の基幹駅への接続について、再検討していく必要があります。その際には、安茂里地区だけではなく、他地区の実証運行の見直しへの影響も考慮しなければないと思います。
 会議が終わった後も、参加者の皆さんから「他の課題はともかく、乗合タクシーの件、長野駅まで何とかしてね」と重ねて強く要望されました。経過を承知しているだけに正直、苦しいところなのですが、地域住民の要望を基本に、長野市全体のことを考えながら関係者に働きかけることを約束しました。
議会のやり取りを彷彿させる市民会議…いろんな意味で課題が
 私は、この市民会議でのあいさつで、高齢者の所在不明問題に触れて、安茂里地区のまちづくりアンケートでも「見守ってもらうことが安心につながる」「見守り活動に参加したい」といった意見が多かったことを紹介しながら、「無縁社会」となっている地域社会の中で、自治協議会の見守り活動を通して地域の絆を再生していくことが自治協議会の一つの大きな課題になっていることを指摘させてもらいました。行政にすべてお任せではなく、行政を市民のためにうまく使うことを考えていきたいものです。

 ところで、市民会議での住民側と行政側のやり取りは、議会での質問・答弁を思わせて、ちょっと複雑でした。自由討議とはいえ、すべて段取り通りで予定調和で進んでしまうのは仕方がないのでしょうか。自治協の皆さんのご労苦を十分に分かった上での「異論」となりますが、パネルディスカッション的な工夫も必要なのではと思います。限られた時間がネックですけれども。
 まあ、それでも今回は、市長の発言が短かったことは何よりでした。しかし、市民会館問題に一切触れなかったことはいかがかと思います。尤も私もあいさつで触れませんでしたから、市長を責めるわけにはいきませんが…。
 それともう一つ。地域課題に根ざした市民会議が充実していくと、議会の役割、議員の役割が改めて問われるということです。地域課題が全市的に普遍的な課題であると尚更です。私自身、市民が主役のまちづくりをモットーにし、市民参加・市民自治を基本に据えてきているつもりですが、今のままの議会では、自治に議会・議員が乗り越えられてしまう日は遠くないとの予感を感じます。二元代表制のもとにおける自治に根ざした議会・議員のあり方を突き詰めて考えなければなりません。制定した議会基本条例の具現を含めてですね。

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