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09年12月15日
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12月議会の論点・トピックス(その1)…第一庁舎・市民会館建て替え問題


12月市議会は9日から14日までの一般質問が終わりました。第一庁舎・市民会館化の建て替え問題をはじめ、市長公約の「みんなの声が長野をつくる」とした政治姿勢、「中山間地域の活性化」と「地域公共交通の再生」に議論が集中しました。市長は、一般質問の最終日、マニフェストの実現に関連して「おごらず、高ぶらず、謙虚に、誠実に市政に臨む」と答弁。ほんとにそう願いたいものです。
 まずは第一庁舎・市民会館建て替え問題の議論について報告します。

注目の第一庁舎・市民会館の建て替え問題、議論かみ合わず

 今議会の焦点の一つである第一庁舎・市民会館の建て替え問題は、市民の意見反映などに議論が集中したものの、市長は初日の所信表明で示した、「費用対効果を考慮した耐震対策」「エネルギー効率のよい施設」「市民サービスの向上・まちの活性化」の三つの観点に「財政面での熟慮」を加え、「市民の声を総合的に判断してかじを切る」と繰り返すにとどまった。なお、これまでに寄せられている1200件の意見を約550項目に論点整理し分析を進めていると説明した。
市民の声は十分に聴いた?
 もっと市民の声の反映を求める意見に対しては「今後、市民の意見を聴取するための市民会議などは考えていない」とし市民会議での意見や市民から出されている意見で十分であるとの判断を示すとともに、「市民会館を廃止して五輪施設などに代替を求めることは難しい」「長期的視点で費用対効果を考えるべき」との考えも示した。

 第一庁舎・市民会館ともに耐震改修を求める意見に対しては「耐震問題に端を発している課題であるが、耐震改修では免振でIr値1.0を確保するものの、改修ではIr値0.6で1.0に満たない」「耐震診断を再度行うことは費用対効果が低い」「合併特例債が使えなくなる可能性がある」と事実上、退けた恰好になっている。「白紙」としながらも「建て替えありき」とされる姿勢が浮かび上がっている構図だ。
耐震改修がなぜ選択肢でないのか、丁寧で納得できる説明を
 私自身は、第一庁舎・市民会館ともに規模・機能は別として安全性と効率性、利便性を考え、「建て替えを是」としているのだが、①なぜ耐震改修ではなく建て替えが必要なのか、②両施設の耐震改修に100億円の積算根拠は何なのか、③長寿命化工事とはどんなものなのか、④耐震改修の場合に何十年間もつのか、長期的な費用対効果などを明らかにし、「建て替えの優位性」の論拠を明確にすべきであると考える。私自身、納得したいからでもある。550項目に分類された検討結果も速やかに開示し、その上で、市民サービスの向上、まちの活性化につながる規模や機能を具体的に示し、市民の声を聴く機会を改めて設けるべきである。少なくとも1月から2月段階でパブリックコメントが実施されることが必要であろう。
市民会館問題で「対話通じた信頼関係」の再構築を
 市民会館建設検討委員会では「建て替えを前提」として規模や機能に加え、建設候補地の検討が大詰めを迎えている。市長の「白紙」発言は無責任と言わざるを得ない。選挙戦の中で「逃げたツケ」が回ってきている。市長は「自分としてはこういう理由で建て替えを進めたい。市民の皆さんの意見はどうか」と市民に問いかけるべきであろう。

 このままでは、建て替えの是非の議論がくすぶったまま、建設地が決まり、規模や機能が決まってしまうことになりかねない。だから、市民ネットとして建設検討委員会の検討を一旦中断を求めたのである。このままでは市長公約の「みんなの声が長野をつくる」が看板倒れになってしまうばかりか、新しい住民自治を模索している市民にとっては極めて不幸な事態である。最終的には議会・議員の判断が問われることになる問題だけに、開かれた市民的議論を尽くしたい。
 一般質問の中で市長は、「市民と対話を通じた信頼関係が大切」とし、「能動的な公聴制度、例えばモニター制度を検討したい」と述べたが、この主旨を活かす時である。

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