今日の話題
今日の話題
09年9月11日
トップページに戻る トピックス・長野市議会に戻る 次のトピックス
9月定例市議会…9日に行った個人質問の内容[予定質問原稿から]


9日に個人質問を16分の持ち時間で行いました。やはり時間が足りなくなり、用意した質問をすべて行うことができませんでした。また前略・中略で質問のみとなった課題もあります。実際の質問とは異なりますが、質問で用意した原稿として報告しておきます。答弁のポイントや再質問でのやり取りは改めて掲載します。

11番、市民ネットの布目裕喜雄です。発言通告に従い一問一答方式で質問します。

1.政権交代を実現させた市民の選択をどう受け止めるのか[市長に質問]

(1)第45回総選挙は、反自公政権の強烈な風が吹く中、民主党が300を超える議席を確保し、政権交代が実現するという歴史的な結果となりました。政権交代実現という歴史的快挙を歓迎する一人です。「政権公約」・マニフェスト選挙が注目される一方、民主党の個々の政策への賛否を越えた「政権交代」選択選挙となったとも言われています。16日の首班指名に向けて連立政権協議が山場を迎えていますが、新しい政権、新しい政治は、数におごることなく、壊され続けてきた国民・市民の生活の立て直し、底上げを図る営みでなければならないと思います。

(2)長野市政という地方政治の担い手としても、「今の現状を打開・打破したい、変えたい」との強い期待と願いの結実であることに着目する必要があると思います。変えたい現状とは何だったのか。それは雇用危機、不安な子育て、そして老後、食べていけない農業、農村・地方の衰弱、格差と新たな貧困の拡大、財政危機の深刻化、まさに疲弊した経済社会構造そのものであり、根底から脅かされている市民生活であったと思うのです。

(3)この選択は、「競争がすべて」と市場経済原理を最優先する新自由主義的「構造改革」路線に終焉を告げつつある選択であると考えますが、市長はどのように受け止めているのでしょうか。「官から民へ」、民間活力の導入を「使命」であるとし、民営化・民間委託化、指定管理者の導入、受益者負担の見直しを進めてきたわけですが、自ら3期目を目指すにあたり、市民生活を重視する市政運営を行う指針との関わりを含め見解を伺います。

(4)市長は、初日の議案説明の中で、「外需依存から内需主導への転換は…従来の経済政策とは大きく違った発想であり、我が国の根幹を変える転換期になるかも知れない」と述べました。期待感を込めた感想なのか、懐疑的感想なのかも併せて伺います。

また、「高福祉・低負担が困難であることは国民も理解している」とも述べました。私は、問題はどこに負担を求め、高い福祉水準を確保するのかということだと考えます。富の偏在を許容するのではなく、社会的公正の観点から富の再分配をしっかり行う社会の在り方が問われていると思うからです。所見を伺います。


2.利用者負担の見直しについて[時間調整で割愛]

(1)「消費者重視の政策の充実強化」(市長発言)と「利用者負担の見直し」の政策的整合性
  *負担と財源の問題は避けられないが、結果として行政サービスの後退、市民活力の
   喪失につながってはならない。

(2)H22年4月実施予定の6事業の利用者負担の見直し、利用者アンケートの取り方と結果の評価、利用促進策具体化の検討状況について

(3)経済状況、家計の状況に鑑み、改めて凍結を提案。

3.消費者庁の創設で、消費生活行政はどう変わるか[生活部長]

(1)ガス湯沸かし器による一酸化炭素中毒事故やこんにゃくゼリーによる窒息事故、NOVAの契約を巡る被害、さらに中国製の冷凍餃子や汚染米の問題、そして産地偽装が相次ぐ中、製品事故や悪質商法による消費者被害の根絶に向け、9月1日、消費者庁が発足しました。法律が施行されてから3カ月、要である全国ホットラインは間に合わず、準備不足は否めませんし、政権交代により、長官や庁舎の問題も残っていますが、縦割り行政の弊害、産業界の保護に傾きがちであった消費者行政が、消費者目線で消費者重視に転換する新しい仕組みは画期的です。また、消費者庁を監視する消費者委員会が第三者機関として設置されたことも歴史的な一歩です。

(2)期待されている役割は、全国的な相談体制の強化と、事故・被害情報の一元管理による再発防止にあります。長野市のレベルで考えると、消費生活センターにおける相談体制の拡充と、庁内における消費者被害情報の一元管理できる仕組みの構築、重大事故等の消費者庁への早期情報伝達と再発防止への貢献態勢にあると考えます。具体像が不透明な段階ではありますが、求められる役割ははっきりしていますから、後追いにならない態勢づくりに着手することが重要です。

(3)長野市における消費者行政の質と量の改善・拡充を図る観点から、具体的に4点質問します。

一つは、消費生活センターの機能の拡充と、被害情報の一元管理する仕組みについて、どのように展望しているのか。とりわけ、食品被害や製品事故に対する対応をどうするのか。伺います。

二つは、相談員の増員と待遇改善、市職員の相談員資格の取得による相談体制の強化が必要となりますが、どのように対応されますか。

相談内容が多岐にわたり高度化・専門化している現状を踏まえ、相談体制の抜本的強化が求められています。また、長野市は既に国民生活センターの情報ネットワーク・パイオネットを設置加入しているが、情報入力の手間も増加することなどを考慮すべきと考えるからです。

三つは、再発防止に向けた啓発活動の強化についての具体策です。支所などを拠点にした巡回相談活動や出前講座、押しかけ講座による再発防止のより積極的な展開が必要であると考えますがいかがでしょうか。

四つは、予算措置の問題です。6月補正で県の活性化基金を活用し323万円を計上し、相談員の研修強化や啓発用のパネル作成などに充てられています。県基金は3年間で3億円、4年後からどうするのかという課題は残るわけですが、県基金を活用した積極的な予算措置を行うことが必要であると考えますがいかがでしょうか。
  *給食センターにおける事故の扱い/多重債務相談/弁護士・司法書士相談の拡充

  *相談件数の減少の要因(問い合わせ・苦情件数のカウント?)

4.地域公共交通の活性化について[企画政策部長・再質問で市長に]

(1)地域公共交通の活性化・再生は、既にバス交通、長電屋代線、しなの鉄道と三つの法定協議会が設置され、さらに北陸新幹線の金沢延伸に伴う並行在来線の存続問題と、まさに長野市にとって喫緊の課題となっています。今回は屋代線存続問題について質問します。

(2)私も参画している長野地区公共交通対策会議では、この間、屋代線の存続に向け、独自に沿線住民アンケートに取り組むとともに、7月には茅野實実行委員長のもとで、市長にも参加いただき、沿線住民の皆さんとともに「屋代線の将来を考えるシンポジウム」等に取り組んできました。沿線住民アンケートでは、ほぼ9割の住民が存続を願っており、沿線の学生・生徒、高齢者にとって不可欠な鉄道路線であること、またマイカーで通勤する層の鉄道への利用転換に可能性が広がっていることに着目した対策が必要であると考えているところです。また、8月12日には市長に存続に向けた要望書を提出してきました。

さらに28日には若穂住民自治協議会の主催による「乗って残そう!若穂の集い」が開かれ、沿線住民の間から存続に向けたアクションが起こっています。

(3)協議会では、委員から公的支援を前提としつつ「屋代線の厳しい状況を住民に伝え、大幅な公的支援をしてでも存続が必要か否かを尋ねてほしい。小手先の利用促進策では廃線になってしまう」との意見が出されるなど、存続の根本問題である公的支援による経営スキームの在り方の検討も避けられないところとなっています。全国的な、地方鉄道の廃止の危機から再生への取り組み状況を見るとき、実証運行をはじめとする需要喚起・利用促進策の具体化とともに、持続可能な将来展望を見据えた自治体としての独自の財政支援、さらには公有民営・上下分離方式の導入などにより活路が見出されています。

(4)そこで質問します。[一問ごとに区切って]

第1点。長野電鉄活性化協議会において、計画作りを受託したパシフィックコンサルタンツは「貴重な社会資本である屋代線という既存ストックを持続可能な鉄道として次世代に継承できる方策」を検討するとしています。交通事業者の経営改善を前提としつつ、設備投資や運行補助への独自の財政支援の在り方を基本課題とし、さらに国の鉄道事業再構築事業制度を活用した「公有民営・上下分離」方式などによる新たな経営形態についても検討・協議されるよう、中核である長野市行政がリーダーシップを発揮することが必要であると考えるが、どう対応する考えか。
  *申し入れの際の市長答弁「長電単独で維持困難となれば、(公有民営・上下分離を
   含む)別の経営形態を含めて検討していかざるを得ない」


第2点。8月の市長要望の折には、屋代線活性化の総合連携計画をまとめるにあたり、素案を確定する以前の段階で、沿線住民との直接対話にも取り組むとともに、さらに長野電鉄、沿線自治体など関係団体ごとに意見交換を行い、合意形成をめざす姿勢を明らかにしましたが、より具体的な段取りを伺いたい。

第3点。沿線アンケートでは「バス交通による代替手段もやむを得ないのでは」との意見があります。しかし、長野電鉄木島線の廃止に伴う代替バスでは利用者が減少し維持が困難になってきていると聞いていますし、全国的にもバス代替が持続可能な対応措置として成功している事例はありません。マイカー利用に変わり渋滞を招くという悪循環になっています。いったん廃止すれば復活は困難であり、鉄路を鉄路として残す知恵と工夫が必要です。設備投資を軽減する策として、例えば電気車両のディーゼル化、小海線のようにハイブリッド車両を導入するということも検討対象とすることを求めたいが、どのように考えるか。

  *すぐにできること サイクルトレイン、無料レンタサイクル、駅舎の活用


第4点。マイカーを利用する通勤者層をいかに屋代線利用に転換できるかがカギです。

例えば、国土交通省の「エコ通勤優良事業所認証制度」等を積極的に取り入れ、マイカーから電車に切り替える、さらには法人税の軽減など政策誘導措置をとりいれることを重ねて提案する。いかがか。
  *市長のブログから

     「(法定協の研究・議論の)この段階でマニフェストに入れることは好ましくないと
    判断」「だだ、市民の足を守るために最大限の努力をすることは約束する」「根本的
    な問題として、公共交通機関の再生はお金さえかければ解決できる話…いくらまで
    市費を投入するのかという問題に帰結する…費用対効果が常に問われている」

  *若穂住民自治協議会主催の集いでの長野電鉄・神津鉄道部長発言「現在の48万人
   の利用者が100万人になれば、経営存続」

  *公共交通活性化基金の設置
  *長野県中期計画「現在の地方鉄道営業キロを維持」
  *マニフェストに「屋代線の存続」を明記すること

5.長野市民会館の建て替えについて[総務部長]

(1)「市民会館建設検討委員会」が設置され、建設候補地の選考だけでなく市民会館の規模・機能、そして維持管理について検討することになりました。行政サイドだけの判断で進めるのではなく、懇談会方式とはいえ、検討委員会で改めて広く検討することにしたことは評価します。

 そのうえで、3カ所の建設候補地、合併特例債の活用という検討の前提とされている点について、ポイントのみ4点質問します。

(2)まず、1500席収容の多目的ホールは必要なのかという点です。

「1500人収容」「5000㎡」という規模・機能の問題は、もっと議論されるべきです。「1500人・5000㎡の面積」を前提にして候補地の選考が行われているからです。この前提条件が異なると候補地は大きく変わってきます。私としては、維持管理費も考慮し、「ホールは音楽専用機能と舞台機能を持ち、最大で700人から800人くらいの規模。できれば分割活用できる施設とし、100人から200人の会議室の複数併設が良いのでは」と考えるものですが、規模・機能についてどのように検討を進めるのか、伺います。

*ランニングコストの問題は?

(3)次に、合併特例債の活用を絶対条件とする中で、選択肢は狭まっていないのかという問題です。

 候補地を3カ所に絞り込む際に、合併特例債を活用してH26年度までに竣工させることを条件にすることで、絞り込んだ3カ所以外で適地があっても外されてしまったということはないのでしょうか、「100年建造物で市のシンボル」(市長)となる市民会館は、50年~100年というスパンで考えることになりますが、合併特例債の活用にこだわらずに、真に市民サービスの向上につながる適地を模索すべきではないのか、10年・20年たって「あそこの方が適地だった!」とはしたくないからです。市は「必要となる周辺環境整備なども比較検討した結果」としていますが、明快な答弁とは言い難いものです。結果説明と合わせもっと十分な比較検討が必要であると考えますが、いかがか。

(4)次に、早期建て替えが本当にベストなのかという問題です。
 市民会館は必要であるとの立場です。しかし、そもそも論にもなりますが、同じ“箱もの”であれば、「市民会館よりは、児童センターや保育所の充実」を求める声は少なくありません。合併特例債は確かに有利ではあり魅力的ですが、借金は借金です。厳しい財政状況を考えた時に、優先順位として第一庁舎の建て替え、学校の耐震化を第一に位置付け、もっと先に棚上げする選択肢もあってよいと考えますが、いかがか。

(5)新たに建設する市民会館にどのような機能を持たせるのか、ということに関連して、今議会には美術館建設を求める請願が提出されていますが、県展や北信展が開催できるような展示ギャラリーの併設も検討に値するのではないかと考えます。文化芸術・スポーツ振興条例が提案されている折、文化芸術の拠点という位置づけを具体化していくことも含めて検討する必要ありと考えますが、いかがか。

6.その他で、水道局・夏目ガ原浄水場の民間委託問題について

(1)犀川浄水場の民間委託を夏目ガ原浄水場に拡大する提案がされている。犀川浄水場への民間委託の導入には、安全で安心な飲料水を供給する態勢に大きな懸念を払しょくできず、反対してきた。既に実施されている犀川浄水場の運転管理部門の民間委託は、3年目を迎える中で、「良好」であり「委託の目的が達成されている」とされている。

 一方、水道ビジョンでは、今後の水道職員の大量退職による技術力の低下が課題とされている。どんどん委託を進めることで、長野市の水道管理技術は維持できるのか、伺う。

 また、2年間で犀川では4320万円の人件費削減、夏目ガ原では3年間で5000万円の経費削減を見込んでいるが、このこと自体が受託者における人件費抑制、技術力の低下につながることになってはいないのか。

(2)安全で安心な水を持続的に提供し続けるためには、こうした点の検証が不可欠であると考えるがいかがか。
  *野田市「公契約条例」制定の意義


このページのトップへページトップへ