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08年12月25日記
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緊急雇用対策で長野労働局と長野県に申し入れ、長野市の緊急雇用対策は…

25日、社民党長野県連合と県労組会議の合同で、長野労働局と長野県に対し緊急経済・雇用対策の申し入れを行ないました。党で「緊急雇用対策調査要請団」を立ち上げ、申し入れとなったもの。私は事務局を担当しています。申し入れ内容は下段に掲載。
     
長野労働局では、最近の雇用情勢の詳細な説明を踏まえ、「派遣先企業に対し、期間の定めのある労働契約における解雇要件の厳格化を徹底し、安易な派遣契約解除を許さない働きかけを強めること」「雇用保険の加入漏れの実態を把握するとともに、雇用保険加入時の非正規労働者に対する差別を禁止し取扱いを正規と同一にするよう指導すること」などを強く求めました。【写真は長野労働局で】
 応対した企画室長や職業安定課長らは「申し入れの趣旨はその通り。雇用はますます厳しくなることは間違いない。派遣元・派遣先に対し定期指導及び臨検指導をしている。先が見えないところに歯がゆさがあるが、できうる限りのことをしている」とする一方、非正規労働者の雇用保険の未加入実態については把握できておらず、今後の課題としました。

 また、障害者の雇用安定では、現在の雇用率は1.69%で法定の1.8%(常用労働者56人規模以上の企業)、2.1%(特殊法人や自治体)に及ばない現状と、11月末までの障害者の解雇は37件・43人で、前年同月比を上回っていることを明らかにしました。「現状として際立ってはいないが、この先、障害者の解雇が広がることが懸念される」との認識も示しました。
 現下の雇用危機に対し、できる限りの対処療法は重要ですが、根源は派遣法をはじめとする労働法伊勢の規制緩和や小泉構造改革によるセーフティネットの崩壊にあります。製造業への派遣禁止をはじめ労働者派遣法等の抜本改正について現場からに声を上げるよう強く求めました。
県では、社会部長、商工労働部長に対し申し入れ。県がまとめた緊急経済対策の速やかな実施に加え、障害者雇用の安定や授産施設での仕事の確保、解雇者の住まいについて無償で公共的施設を提供すること、相談窓口に寄せられた当事者の要望にきめ細かく対応することなどを求めました。県では「検討したい」としました。
24日に受け付けた相談は1日で50件あったそうです。住宅に関する相談は10件あったものの県営住宅への入居決定は1件(26日現在)だそうです。家賃を安くしているものの有償であることが壁になっているのではと推察されます。今後、さらに効果を上げられる対応を求めていく必要があります。【写真は県商工労働部長への申し入れ】
長野市内でも、新光電機など有力企業で派遣労働者の雇い止め、解雇が進んでいます。しかもかなり大規模な生産調整に入っており、関連下請け企業でも雇用の維持が深刻になっていると思われます。
 長野市では18日の「北信地区緊急雇用安定対策会議」を受けて、「対策本部」はつくらないとした上で、29日・30日に中小企業向けの融資相談窓口の開設に加え、①仕事を増やすために来年度予定の公共土木事業費のうち2億5千万円程度を前倒し実施すること、②居住場所の確保で低家賃の市営住宅8戸(12月19日現在)を用意したこと、また廃止が決定している真島の雇用促進住宅への入居について国に要請していること、③臨時職員の雇用受け皿について緊急調査し、まとまり次第早急に雇用すること、④さらに農業公社や中山間地域住民自治協議会での雇用創出について検討することなどを明らかにしています。県の緊急経済対策に呼応する市の取り組みとなります。臨時職員としての雇用の受け皿づくりが急がれます。


2008年12月25日

 

長野労働局

   局 長 小 池 圀 光 様

社会民主党長野県連合

緊急雇用対策調査要請団

団 長 山 口 わか子

 

緊急雇用対策に関する申し入れ

 

 世界的な金融危機と景気後退を理由とした派遣・請負労働者、期間工の雇い止め・中途での契約解除・解雇が大量に発生し、雇用情勢が急速に悪化する中、「仕事を、住宅を」との声が悲鳴となって全国を覆っています。世界的な金融危機の進行が背景にあるとはいえ、派遣法の規制緩和をはじめ、構造改革によるセーフティネットの崩壊が深刻さに拍車をかけているのです。また、雇用の調整弁とばかりに非正規労働者をモノのように使い捨てる企業経営者の社会的責任・経営責任もまた問われる緊急事態となっています。

国においては緊急雇用対策が矢継ぎ早に実施されてはいるものの、「後追い」となり、年の瀬を前により急速に悪化する事態に対し、必ずしも有効な手立てになっていないのが実情です。

ついては、非正規労働者支援の観点から、雇用確保、失業者支援、雇用創出、住宅確保、相談窓口の拡充等、国機関をあげて取り組まれるよう下記事項について申し入れます。

 

1.現下の県内の雇用動向の実態、傾向、見通しを明らかにすること。「非正規労働者の雇い止め等の状況について」(11月28日付)の調査は臨時的対応であることから、新たに大規模で詳細な調査を実施すること。

 

2.「現下の雇用労働情勢を踏まえた取り組みについて」(12月9日付)と「派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針」及び「派遣先が講ずべき措置に関する指針」の周知の徹底と実効性を確保するとともに、職を失った労働者に対する就職の「斡旋」「確保」がなされること。とりわけ派遣先企業に対し、期間の定めのある労働契約における解雇要件の厳格化を徹底し、安易な派遣契約解除を許さないよう働きかけを強めること。

 

3.採用内定取り消し問題について、実態を正確に把握するとともに、労働契約解除要件を満たさない内定取り消しは無効であるとの認識を明らかにし、指導監督及び対応を徹底すること。

 

4.多くの非正規労働者が雇用保険加入漏れにある状況を解消するため、派遣・期間工など非正規労働者が資格がありながら雇用保険に加入していない実態を掌握する措置を講じるとともに、雇用保険加入時(加入資格及び受給資格等)の非正規労働者に対する差別を禁止し、取扱いを同一にすること。

 

5.雇い止めは「会社都合」であることを迅速に認めさせ、雇用保険適用を拡充すること。

 

6.非正規労働者の契約解除・解雇に伴う退寮措置等に対し、雇用契約上の残りの期間はもとより、次の就職先が決定するまでの期間において継続入居が保障される措置を講じるとともに、雇用促進住宅、公営住宅等への優先入居措置をさらに拡充すること。

 

7.障害者の雇用継続も危惧される状況にあり、障害者の法定雇用率を早期に実現させるよう監督指導を強化するとともに、法人税の軽減等の誘導措置を講じること。また「保護雇用制度」「みなし雇用制度」を導入し、障害者雇用の安定を図ること。

 

8.国の緊急雇用対策を速やかに実行できるよう、労働局、職業安定所、労働基準監督署等における人員を増員配置するとともに、年末・年始における総合的相談窓口をさらに拡充すること。

 

9.いわゆる「2009年問題」対応において、脱法的手法に対する規制を強化し、派遣期間終了後は当該派遣労働者を優先的に直接雇用することを基本とし、かつ「期間の定めのない雇用」にするよう指導・監督を強めること。

 

10.深刻な雇用情勢に鑑み、企業に対する「雇用調整助成金」を拡充し、失業予防を強化すること。

 


2008年12月25日

 

長野県知事 村 井  仁 様

 

社会民主党長野県連合

緊急雇用対策調査要請団

団 長 山 口 わか子

 

緊急経済・雇用対策に関する申し入れ

 

 世界的な金融危機と景気後退を理由とした派遣・請負労働者、期間工の雇い止め・中途での契約解除・解雇が大量に発生し、雇用情勢が急速に悪化する中、「仕事を、住宅を」との声が悲鳴となって全国を覆っています。世界的な金融危機の進行が背景にあるとはいえ、派遣法の規制緩和をはじめ、構造改革によるセーフティネットの崩壊が深刻さに拍車をかけているのです。また、雇用の調整弁とばかりに非正規労働者をモノのように使い捨てる企業経営者の社会的責任・経営責任もまた問われる緊急事態となっています。

国においては緊急雇用対策が矢継ぎ早に実施され、また県においても22日に「緊急経済対策」がまとめられました。年の瀬を目前により急速に悪化する事態に対し、有効に作用することを願わずにはいられません。

ついては、非正規労働者支援の観点から、雇用確保、失業者支援、雇用創出、住宅確保、相談窓口の拡充等、県行政機関をあげて取り組まれるよう下記事項について申し入れます。

 

1.現下の県内の雇用動向の実態、傾向、見通しを明らかにすること。長野労働局における調査とは別に、市町村と連携し県としての独自の詳細な調査を実施すること。

 

2.厚生労働省の「現下の雇用労働情勢を踏まえた取り組みについて」(12月9日付)と「派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針」及び「派遣先が講ずべき措置に関する指針」の周知の徹底と実効性を確保するとともに、職を失った労働者に対する就職の「斡旋」「確保」がなされること。とりわけ派遣先企業に対し、期間の定めのある労働契約における解雇要件の厳格化を徹底し、安易な派遣契約解除を許さないよう働きかけを強めること。

 

3.採用内定取り消し問題について、実態を正確に把握するとともに、労働契約解除要件を満たさない内定取り消しは無効であるとの認識を明らかにし、指導監督及び対応を徹底すること。

 

4.非正規労働者の契約解除・解雇に伴う退寮措置等に対し、雇用契約上の残りの期間はもとより、次の就職先が決定するまでの期間において継続入居が保障される措置を講じるとともに、雇用促進住宅、県営住宅等への優先入居措置をさらに拡充すること。

 

5.障害者の雇用継続も危惧される状況にあり、障害者の法定雇用率を早期に実現させるよう監督指導を強化するとともに、法人税の軽減等の誘導措置を講じるなど障害者雇用の安定を図ること。授産施設における雇用維持は深刻であり、県の責任で仕事を確保すること。また、介護士やヘルパーなど福祉分野における人材確保について政策誘導措置を講じること。

 

6.失業者向け生活資金融資制度や中小企業向け融資制度をさらに拡充するとともに、制度が行き渡るよう周知徹底すること。年末・年始における総合的相談窓口をさらに拡充すること。また相談窓口に寄せられた意見・要望を取りまとめ公表するとともに、要望に応えられる対策を速やかに講じること。

 

7.生活関連の施設整備等の事業をさらに前倒し拡充し、雇用の受け皿を県行政として創出すること。さらに県行政機関内での臨時・嘱託雇用の「枠」をつくり、雇用の受け皿を拡大すること。

 

8.深刻な雇用情勢に鑑み、中小企業に対する「雇用調整助成金制度」を県独自に創設し、失業予防を強化すること。

 

9.市町村が実施する緊急雇用対策に対し、県として財政的措置を講じるとともに、国に対し公共サービスの充実確保と雇用創出に向け地方交付税の増額確保を強く求めること。

 



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