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06年9月15日
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06年9月議会の焦点・論点(その2) 9月8日に一般質問しました

 9月8日に一般質問を行いました。テーマと質問内容は次の通りです。7項目の「子どもが安心して遊べる居場所の確保」は、文科省と厚労省が連携し来年度から実施するとしている、すべての小学校での放課後教室プランに関わり、児童センターの位置づけの明確化と拡充について質問を予定しましたが、時間の都合でカットしました。松ヶ丘児童センター、安茂里児童センターの皆さんとの意見交換を踏まえ、準備したものです。課題と対策は、別途報告します。

テーマ
 1.格差拡大に対する自治体の役割について
 2.公共サービスにおける安全性の確保について
 3.バス路線網再編基本計画の具体化について
 4.犀川浄水場運転管理業務の民間委託について
 5.広域連合ごみ焼却の施設、灰溶融炉の安全性について
 6.情報格差の解消、ケーブルテレビ施設網整備の中止に伴う代替案の早期確立について
 7.子ども安心して遊べる居場所の確保について



43番、市民ネット、布目裕喜雄です。
通告に従い質問します。なお子ども安心して遊べる居場所の確保については、割愛します。

まず最初に1.格差拡大に対する自治体の役割について》伺います。

(1)国内総生産がバブル期を凌ぎ、大企業が3期連続で過去最高の利益を上げている中、多くの国民・市民が生活・雇用・将来への不安を募らせています。完全失業者は約300万人、不安定な身分の非正規労働者は1650万人=勤労者の3分の1に上り、勤労世帯の収入は7年連続で低下、5世帯に1世帯が年収200万円以下、4世帯に1世帯が預貯金ゼロと、まさに格差が拡大しています。にもかかわらず、医療や年金、介護保険、障害者支援など、暮らしを支える社会保障の分野では、自己負担が一層強まり、明日の生活すら見通せない現実が、覆いかぶさってきています。小泉首相の構造改革路線を継承するとした次期政権下での将来を思うと、なお暗澹たる思いに駆られます。

(2)国において規制緩和・市場原理優先主義に基づく路線をとり続ける限り、格差の拡大は不可避です。だからこそ、こうした格差拡大に対し、身近な自治体が市民の暮らしの命綱、セーフティネットを構築しなければなりません。福祉や医療・子育て支援・介護・障害者自立支援など社会保障・教育分野で、国の基準を上回る『上乗せ・横だし』のサービスを提供する、さらに、強まる自己負担を抜本的に軽減する、積極的な姿勢を打ち出し、施策として具体化していくことが、健康で文化的な市民生活を守る重要な課題となっています。マスコミ調査でも、優先してほしい市政の課題は「福祉・医療の充実」が最多で50%でした。『選択と集中』において福祉・教育を優先するメリハリの聞いた施策展開が今こそ必要です。市長の基本姿勢としての所感、政策の優先順位に対する考え方を伺います。


次に2.公共サービスにおける安全性の確保について》伺います。

(1)耐震偽装、シンドラー社製のエレベータ事故、そして埼玉県ふじみ野市の市営プール死亡事故など「安全」が根底から問われています。公共サービスにおいては、より厳格な安全規定とリスク管理が行政の責任として求められています。7月に仙台市の「スポパーク松森」を視察しました。PFI事業で建設された「スポパーク松森」は昨年夏、地震によって吊り天井の落下事故を起こし、負傷者35名にのぼる被害を発生させました。この事故は人為的な施工ミスが原因とされ、仙台市では、事故を踏まえ「PFI方式による公共サービスの安全性確保に関する検討委員会」をつくり、提言報告書をまとめ対策を強めています。

(2)提言は「市民・利用者を保護する安全規定の明確化」「安全性を確保するための設計・施工確認のあり方」「保険付保の重要性の再認識と対応」「不可抗力事由の取り扱いの明確化」「リスク認識とそのマネージメント」「官民リスクワークショップ実施の検討」など7項目あります。保険の付保や官民リスクワークショップなど学ぶべき点が多いと思うのですが、ここでは「安全規定の明確化」について取り上げます。仙台市ではPFI事業の契約を見直し、「安全規定の明確化」について特別に項を起こし、入札段階から導入しています。例えば、PFIでつくる「新野村学校給食センター」の契約書ではこうです。「事業者は、本件施設の安全性を確保するよう努めなければならない。事業者は、本件施設における事故または災害時になすべき被害防止措置及び報告等を定めた市が合理的に満足する行動指針を作成し、本件施設供用開始日の3ヶ月前までに市に提出し、承認を得なければならない」ことなどを明記、事業者の責務を明らかにしています。

(3)長野市でスタートしたPFI事業「温湯温泉・湯〜ぱれあ」では、仙台の事故を受けて調査点検し、仙台と同様、吊り天井構造となっていることから安全のための補強工事が行われオープンに至りました。チェック体制がしっかり働いた結果であると思います。

仙台の教訓は、PFIという民間手法であっても、事業者任せになってはならない、チェックすべきはチェックする体制が必要ということです。ふじみ野市のプール事故も然りです。PFIであれ、指定管理者制度、民営委託であれ、民間活力という手法をとっているに過ぎない公共サービスであるということ、ですから、すべてのプロセスにおいて管理・監督・チェックする責任、事業をコントロールし安全を確保する責任は行政にある、この基本を改めて確立することが求められています。

(4)そこで、PFI事業である「温湯温泉・湯〜ぱれあ」の維持管理・運営に関する契約にとどまらず、指定管理者との協定、民間業務委託の契約においても、単なる法令順守規定ではなく、「市民・利用者を保護する安全規定」を特化して盛り込み、事業者の責任をより明確にするとともに、市行政としてのリスク管理体制を改めて構築すべきであると考えます。悲惨な事故を繰り返さないために「安全」を形にしていくことを強く提案するものです。


次は3.バス路線網再編基本計画の具体化について》です。

(1)3日に「これからの公共交通を考える市民シンポジウム」が催されました。市民と一緒に地域のバス、住民の足を守り育てようと初めて企画されたもので画期的でした。森栗茂一・大阪外大教授が報告した神戸市東灘区での地域自主運行バスの取り組みで印象に残ったのは、地域の「マイバス」として、市の援助を受けずに運行され、住民の足が確保されているということのみならず、「車社会は便利だが失ったものがある。それは人間同士のコミュニティである」とし、高齢社会を見据えたコミュニティの復活…「孫子の代まで住み続けられる街をめざして、行政をあてにせず、自分たちの街は自分たちでつくる、交通も自分たちで創る」という住民の発想と力です。コーディネーターの鈴木文彦さんが指摘した「市民が当事者意識を持つことが鍵」にもつながります。公共交通のあり方にとどまらず、むしろ都市内分権のあり方の根幹に触れた思いがしたものです。

(2)住民による地域自主運行バスが、直ちに長野市で実現できるとは思えませんが、市民と行政、そしてバス事業者との協働のひとつのモデルであることは確かです。市長いわく「都市のインフラとして公共交通網の整備は不可欠」、その通りです。問題は、市民と行政、交通事業者がどのように役割分担しながら具体化するかにあり、マイカーにできるだけ頼らない市民共通の足をいかに作るのかにあります。そこで、長野市の交通政策の柱となっている「バス路線網再編基本計画」の具体化について3点伺います。

(3)一つは基本計画を実行する見通しについてです。中山間地における効率的な輸送システムの展開、地域循環コミュニティバスの拡大、市営バスの運行の見直しなどを重点とし、これを地域住民の参加と協議を通じて、段階的な年次実施計画を策定して実現を図るべきであると考えます。まずは見通しを示してください。

二つは財政の問題です。基本計画に基づくバス路線網の整備では、地域循環コミュニティバス、バス路線空白地域での乗合タクシーの運行、小型タクシー車両によるデマンド方式の中山間地輸送システム、廃止路線代替バス、合併町村の市営バスなどに計1億5千万円、これにお出かけパスポート、福祉自動車、スクールバス・通学援助など福祉・教育関係を含めると合計3億8千万円の財政が投入されています。さらに教育委員会の学習バスなどを加えると4億円を超えるでしょう。現在の手法で基本計画の具体化を考えれば、バスを中心とした公共交通網の整備には全体で10億円位の財政投入が必要になるでしょう。これをすべて行政でまかなうのか、地域住民の自主的な取り組みに委ねるのか、或いは新たに市民の負担を求めるのかということになるでしょう。年次実施計画を策定し、それに必要な財源を誰が担うのか、役割分担の考え方もメニューとして示すべきでしょう。いかがでしょうか。

三つは、利用促進策です。地球温暖化の防止、地域コミュニティの創造、交通渋滞の解消といった観点から、市民一人ひとりが当事者意識を持ちうる市民啓発がまず必要です。その上でマイカーの総量抑制に取り組むべきであると考えます。昨年の3月議会での私の質問に対し「実効性のあるマイカー抑制について、他都市の実施状況を把握しながら調査検討したい」と答弁していますが、パークアンドライドにおける駐車場の確保をはじめ、どのように検討は深まっているのでしょうか。イベント時・連休時における市街地へのマイカー流入のさらなる抑制、開店休業状態となっている「さわやかふれあい通勤市民運動」の検証・リニューアルなど、長野市モデルを早期に構築すべきであると考えますが、いかがでしょうか。


次に4.議案第107号、犀川浄水場運転管理業務の民間委託について》です。

(1)水道事業はあくまでも公営が基本です。そして、水は命を支える必要不可欠な資源であり、安全でおいしい水をより安く豊富に供給することが水道事業の使命です。しかも、運転管理業務は水道事業の中枢であり生命線です。安全な水と技能の継承は、長い経験とノウハウが蓄積されている水道局の職員・プロの仕事によって担保されているのではないですか。委託担当さえ配置すれば大丈夫、事足りるとは到底思えません。

(2)今回の提案は、「直営でいかに工夫改善するのか」といった基本的な検証がないまま、しかも市民の声を聞くこともないまま、余りにも拙速、性急になされているといわなければなりません。少なくとも補正予算で提案すべきものではありません。効率の名のもとに『安全』が切り捨てられてはなりません。したがって、水道局職員・プロの仕事による直営を維持することを求めます。現場からも「果たして安全が守れるのか」との不安の声が上がっていると聞きます。少なくとも議案を取り下げ、再検討することを強く求めます。懸命な判断を示していただきたいと思います。


次に5.広域連合のごみ焼却施設、灰溶融炉の安全性について》質問します。

(1)新しいごみ焼却施設・建設候補地は、大豆島地区のサンマリーン周辺とされ、地区住民への説明会を経て地元協議組織が設置されたとのことですが、建設候補地住民の合意形成はどんな段階を迎えているのでしょうか。またどんな課題を抱え、どのように克服しようとしているのでしょうか。環境部長は地元の合意がない限り「見切り発車はしない」趣旨の発言をされているようですが、何をもって地元の合意とするのか、伺います。

(2)ごみ焼却施設には処理能力・1日60トンの灰溶融炉を併設することが計画されています。千曲市に建設される二つ目の施設においても同様です。しかし、この灰溶融炉で事故が相次いでいます。03年には青森県弘前市の「環境整備センター」で荏原製作所プラントの炉が本格稼動直後に爆発事故、04年には静岡市「沼上清掃工場」で日立造船プラントの炉がスラグ流出・水蒸気爆発事故を、そして今年4月、高知市清掃工場・三菱造船プラントの炉でのスラグ流出火災事故などなどです。いずれも最新鋭とされる灰溶融炉での事故で、灰溶融炉そのものの安全性が問われているといえるでしょう。灰溶融炉を含むごみプラントの技術は、開発途上で「未完の技術」です。経験工学の分野だとしても、いったん事故を起こせば、人命や環境汚染に及ぶ危険性をはらんでいます。灰溶融炉が果たして安全かと問われれば、安全だと断言できる技術水準にはないと考えざるを得ません。安全や環境保全の見地から、灰溶融炉の安全性はどのように検証されてきているのでしょうか。私は、灰溶融炉からの撤退を検討し、そのために必要なごみ減量策・減量計画の見直し、分別・リサイクルの徹底、生ごみの再資源化などにシフトすべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。


最後に6.情報格差の解消、ケーブルテレビ施設網整備の中止に伴う代替案の早期確立について》伺います。

(1)市は財政的な見通しがつかないことを理由に、情報格差の解消の手立てとしてきたケーブルテレビ施設の市独自の整備事業を中止するとしましたが、対象地区住民に明確な代替案が示されないまま、今日を迎えています。

情報格差の解消は、単にテレビが視聴できるか否かではなく、危機管理・防災情報を含めた行政情報を等しく受ける権利を公平に保障するか否かにあります。当初から民間単独では採算が取れないから行政で行うとしてきた事業計画であり、「お金がかかりすぎるから中止」というだけでは納得できません。また、地上波デジタル放送への過度の期待も山間地における「地デジ難民」の発生により裏切られることになりはしないか危惧されます。高度情報化に伴う技術はインターネット網を中心にまさに日進月歩ですが、機械や機器は市民の負担となることから、情報格差の拡大が懸念される状況もあります。そうした見通しに立って明確な代替案・ビジョンを示すべきです。

(2)現在、市では、採算ベースが見込める地域について、国が事業費の4分の1を負担する「地域情報通信基盤整備推進交付金」を県との協調を条件にINCの事業エリア拡大として整備する方向で検討していると聞きます。一つの方向だと思いますが、採算ベースを条件にする限り、整備は困難なのではないかと心配です。とにかく、すべての対象地区住民に等しく情報網が整備される代替案を早期にまとめるべきです。見通しを明らかにしてください。

 
 以上で質問を終わります。

 



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