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06年3月25日
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06年3月議会から(その3) すべての議案が可決され閉会

 長野市議会3月定例会は24日、総額1322億2千万円の06年度一般会計予算案をはじめ、指定管理者制度の導入に伴う条例改正案など市が提出した78議案を原案通り可決し閉会しました。私は予算案には賛成しましたが、市民相互の監視社会につながり人権侵害が憂慮される「防犯まちづくり推進条例」や有事法制の一環として有事の際の国民保護計画をつくるための「国民保護協議会条例」には反対しました。

●防犯まちづくり推進条例が賛成多数で可決

 「体感治安」(体で感じる治安の悪さ)が高まる中、市民の不安を取り除き、安全・安心のまちづくりを進めることは必要です。
 犯罪の防止は一義的に警察の仕事です。だから警察官は拳銃を所持し強制力を持っているわけです。強制力のない市民や行政が肩代わりできる仕事ではありません。このことに異論はないと思いますし、市側も認めています。したがって「防犯条例」は犯罪をなくすために直接的な効果を持つ条例ではないことになります。
 でも、なぜ条例なのでしょうか。条例は、当初に市が示した原案から、「警察機関との連携」や「市民の責務」という言葉がなくなり、大変ソフトな罰則のない理念条例となりました。しかし、言葉としては消えても、「他の行政機関との連携」とか「市民の役割」という形で姿を変えてしっかりと残っています。この「ごまかし」に条例のもつ危険性が隠されていると思うのです。
 隠された危険性とは、条例で設置される「防犯推進協議会」で、警察との密接な連携による防犯計画が作られ、地区の取り組みの均一化が進められること、そのことにより「警察の目」で市民が地域を見張ることが求められ、すなわち「不審者」を探し出す「監視の目」が日常的に市民社会に浸透する「監視社会」を増幅させることにつながることです。
 市は「条例はあくまでも地域の自主的な活動を支援するためのもの。強制はしない」と言い張ります。であるならば、なおさらのこと、自治体の法律であり、市民生活におけるルールを形成する「条例」で定める必要はありません。
 県警の調べでも犯罪件数は減っています。一方、子どもの通学路の安全を守ろうと自主的な活動は倍増しています。「依然として増加している犯罪」という間違った認識で「条例の必要性」を単純に唱える意見が議会でも多数を占め、条例のもつ危険性、人権侵害という「負」の効果に対し冷静な議論が深まることなく、条例が可決されたことは残念です。
 今後、「防犯推進協議会」での審議を注意深く監視していきたいと考えます。

●国民保護計画をつくるための「国民保護協議会条例」も可決
 この条例案にも反対しましたが、賛成多数で可決しました。なぜ、反対なのかは「今日の話題」=「国民保護計画を考える(その1)をご覧ください。長野市民38万人を武力攻撃から避難する計画をつくるようなことは「荒唐無稽な計画」「実効性のない計画」になるとは思いませんか。そんなことより武力攻撃にいたらないように平和外交に徹することが国の責務であると思います。そもそも国民保護法の母法である武力攻撃事態法は「武力攻撃が予測される事態」「武力攻撃の恐れのある事態」に重きを置いています。どういうことかというと、イラク戦争のようにアメリカが勝手に起こした戦争で、同盟国である日本も敵対視されるような事態に備えて、アメリカにしっかり協力することに現実的な狙いがあるということです。自衛隊が海外派遣も含めて国内外で自由に活動できるようにすること、そして在日米軍が自由に国内外で活動できるようにすること、これに反対する国民がいないようにするための国民保護法なのです。
沖縄県の読谷村や国立市の首長は「国民保護計画」を作らないとしています。勇気ある決断です。長野市にも「平和都市宣言」にのっとって勇気ある決断を求めましたが、かないませんでした。これまた、これから設置される国民保護協議会の「国民保護計画」作りを、憲法の平和主義、基本的人権の尊重の観点から厳しく監視していきたいと考えます。


●新年度予算案に賛成、共産党提出の一般会計予算修正案には反対

 新年度予算案には、大規模事業の見直しや保険料・使用料の値上げの説明責任など今後に課題を残している問題が少なからずあると考えていますが、賛成しました。予算の執行段階において厳しくチェックしていきたいと思います。
 議会最終日に共産党市議団は「一般会計予算の修正案」を提出しました。人権同和対策費・人権同和教育費の全面削除、中心市街地の駐車場取得・管理運営費や議員の海外視察費の削減などを求めるもので、賛成少数で否決されました。「格差が広がる中、生活弱者にもっと配慮を」との主張は共有するものの、私は人権同和対策費等の削除には同意できないことから賛成しませんでした。議員の海外視察費は今年度から復活したものです。海外視察そのものを否定してはいませんが、財政の厳しい状況に鑑み「自粛・中断」すべき、海外視察は「議会費」ではなく「政務調査費」を活用して派遣すればよいと個人的には考えています。ただし、所属する会派「市民ネット」では海外視察費を要求していますから、自己矛盾といえば自己矛盾です。改革、改善が必要です。

●長野県知事に対する意見書2件を採択
 県知事に対する意見書を2件採択しました。「北陸新幹線長野以北の開業に伴い、並行在来線の対策協議会を早期に設置し、沿線市町や新潟県と協議すべきである」とするものと「浅川の治水対策において、治水安全度100分の1、基本高水450トンを充足した河川整備計画の早期樹立を求める」ものの二つです。いずれも賛成しました。
 浅川の治水対策は、所属する建設企業委員会の所管事項で、県が提案する遊水地やな内水対策として機能強化が求めらられいる浅川排水機場などを視察してきています。次号で私の考えを述べたいと思います。
 実は、この議会にはあと2件の意見書案が提案されました。郵政民営化のもとで過疎地・山間地における郵便局機能の存続を求める「郵政事業に関する意見書」と米国産輸入牛肉にBSE危険部位とされる「脊柱」が混入していた問題で「「米国産牛肉輸入禁止の安易な再開の中止を求める意見書」の二つです。内容的には当然にして賛同できるものですが、採決では悩んだ挙句、賛成しませんでした。提案者は共産党市議団です。私はこの間、意見書等の対応では共産党系の団体からの請願であっても内容に賛同できるものは賛成してきました。しかし、今回賛成しなかった理由は余りにも党利党略的に意見書が提案されたからです。いずれも市民生活に関わる問題であり、議会全体でまとまって政府に意見書を提出すべき内容です。事前に協力要請があってしかるべきですし、総務委員会や経済文教委員会で議論されてしかるべきなのに、これが一切されていません。国に対して注文をつける重要な意見書について、議会の意思としてまとめていく努力は会派を超えた議員の役割だと思います。大事な内容だけに議会の意思をまとめていく真摯な努力を共産党市議団には求めたいと思います。余分な個人的な意見ですが…。

●次号予告(まとまり次第、掲載します)
 私の質問に対する市側の答弁、浅川治水問題、ごみ焼却施設の建設問題、大型事業の見直し問題などについて、次号で報告します。
 大型事業の見直し問題に関連して、3月議会で明らかとなったJR長野駅・善光寺口の開発計画について報告しておきます。

 ■■動き出す駅前開発■■

 JR長野駅の西口・善光寺口の開発・整備が動き出すようです。市は来年度、JRや市民、学識経験者らでつくる「善光寺口整備計画策定委員会」を設置し、整備計画を策定していくとしました。2014年度末(H26年度末)の北陸新幹線の長野〜金沢間の開通を見据え、「長野が単なる通過駅になっては大変」との危機感が背景にあるようです。また「1200万観光交流プラン」にあわせ、「長野駅一帯を長野の玄関口にふさわしいものにしたい」との想いもあるのでしょう。

市では、「整備計画策定委員会」を通して、駅前広場北側(バスロータリー部分)の整備や平安堂のビルから横断歩道橋となっているペデストリアンデッキ(空中通路)の拡張のあり方を検討することになりそうです。1997年の新幹線開業を前に駅周辺の整備が行われましたが、ペデストリアンデッキを駅からつなぐ構想には駅前商店街の反対があり頓挫したと聞いています。

確かに、現在のJR長野駅及び駅前周辺、いわゆる善光寺口は、中途半端な開発整備で善光寺への玄関としては魅力に欠けると思います。善光寺をかたどった駅舎が懐かしく味わい深かったなぁと思い出されます。駅ビルをはじめ駅前商店街の活性化をいかに図るのか、バス・タクシー・長野電鉄などの公共交通機関の要所としての機能をいかに高めるのか、駅利用のマイカー駐車場をいかに確保するのか、といった視点から十分かつ慎重な討が必要だと思います。なにせ事業化すれば、何十億という税金を投入することになります。厳しい財政状況の折、可能なのか。優先度合いは高いのか。ハードではなくソフトで、ホスピタリティあふれる市民の知恵と協力で補えないのか。まずは「整備計画策定委員会」の動向から目を離せません。



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