犀川神社の杜煙火…長野県無形民俗文化財指定に期待

 毎年9月21日に催される安茂里西河原の犀川神社秋季例大祭に奉納される「杜煙火」、秋の花火に大勢の皆さんが訪れます。私も毎年愉しませていただいています。
 ➡150922「見事な仕掛け花火…犀川神社秋祭り」
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 この犀川神社秋季例大祭で奉納される「杜煙火」は長野市の「無形民俗文化財」に指定されていますが、市の文化財指定に加え、県としての無形民俗文化財指定への期待が高まっています。

 記録によると、1827年(文政7年)、犀川神社に社名を変更して以来の伝統があるそうです。保存会事務局長によれば、発祥は鎌倉時代に遡るとのことです。凄いことです。

 2月に開かれた県文化財保護審議会に指定について諮問され、来年の今頃には結論が出されるとのこと。

 5日午後の犀川神社杜煙火保存会の総会で報告されました。
 来賓として招かれ出席させていただきました。

 長野県無形民俗文化財に指定されると、「煙火」では「清内路村の手作り花火」に続く2番目ということになります。

 画期的なことです。今年の秋の例大祭での杜煙火を大成功させ、指定に弾みをつけたいものです。

 保存会の皆さんの一層の精進を願いながら挨拶させていただきました。

 因みに、「犀川神社太神楽」は長野市選択無形民俗文化財に指定されています。
 何世代にもわたり受け継がれている伝統文化、そしてその担い手の皆さんを含め、地元安茂里の財産であり誇りです。

 市では新年度、「コミュニティ活動用具整備事業補助金」に替り「伝統芸能後継者育成事業補助金」を創設します。
 年間30団体を対象に各10万円を補助するというものです。
 地域の財産と誇り…市行政としても、しっかり応援したいものです。

長野市教育委員会「市指定文化財一覧」より】
 「犀川神社の杜煙火」…安茂里の犀川神社は天安2年(858)に現在の正覚院月輪寺が創建されたのを機に、その鎮守としてまつられたのが最初と言われている。長い間その社号は日吉山王社として知られていたが、文政7年(1824)に社号を変更し、現在の犀川神社という社号になった。
 杜煙火はこの社名変更披露の際に奉納したのがはじまりとされている。
 以後、一時は衰退の時期もあったが、毎年9月21日の秋祭りの夜は、犀川神社の社叢を利用した仕掛け煙火(杜煙火)が奉納されている。
 演目は十二燈・三宝・笠鉾・車火・仕掛煙火・五寸十発・金せん火・大スターマイン・ナイヤガラ・白滝・清滝で、天保14年(1843)の番付と順序は大差なく行われる。
 公演は、以下の三流派ほか、放送方、警備方で行われる。
・ 小西霞真流14人・・・・狼煙で日中に煙を扱う小西(小路、西河原)が霞真流
・ 大門大火流11人・・・・大門が夜に火を扱うので大火流
・ 差出昇声流12人・・・・差出が声や音を扱うので昇声流
 古くは村の若衆組が、師匠の年長者からの口伝で教えられ、各家の長男のみに義務付けられた。火薬調合の秘伝書(①)や器具(②)も保存されており、また後継者の育成や技術の保存にもつとめている。
 注① 秘伝書・・・文化11年・文政12年・弘化3年・明治11年の秘伝書が残されている。
 注② 器具・・・・秤・薬研・摺鉢・刷毛・匙・木槌・竹筒・縄・火縄など

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