松代大本営工事・説明文の撤回を要請…20,327名の署名提出

 松代大本営象山地下壕跡の案内看板の説明文を巡る問題で、松代大本営追悼碑を守る会(塩入隆会長)で26日、「主たる労働力は強制的に動員された朝鮮人労働者であった歴史的事実を明確に記述するよう求める」要請書を、全国から集められた2万327名分の署名とともに樋口博・長野市副市長に提出しました。【写真は一部SBC放送より】
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 問題の案内看板や紹介パンフの記述は、建設工事に動員された朝鮮人について「強制的に動員」の「強制的に」の4文字を白いテープで一旦は削除した上で、「労働者として多くの朝鮮や日本の人々が強制的に動員されたと言われている…なお、このことについては、当時の関係資料が残されていないこともあり、必ずしも全てが強制的ではなかったなど、さまざまな見解がある」と修正したもので、昨年11月に看板等が付け替えられ、今日に至っています。
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 申し入れは追悼碑を守る会と在日本大韓民国民団長野県地方本部(民団)と在日本朝鮮人総聯合会長野県本部(朝鮮総連)の3団体共同で行ったもので、「歴史的事実を曖昧にする新しい説明文を撤回し、表現を元に戻すこと。関係団体や在日団体、市民参加の『検討会』をつくり、合意のもとに新しい説明文をつくること」を求めました。

 副市長は、いきなり「議論するつもりはない」と頑なな姿勢で私たちの申し入れに臨み、「表現を元に戻すことは考えていない」「地下壕建設は国家的事業であり、市として見解を出すことは考えていない。したがって検討会を置く考えもない」と退けました。

 全国から寄せられた2万人を超える署名の重さは、市行政には響きませんでした。
 予想された対応とはいえ、交わることのない論議に怒りと虚しさを禁じ得ません。
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 戦後70年の節目を迎え、過去の侵略と植民地支配の歴史に真摯に向き合い戦争責任を果たすことが求められている今日、「これで終わりにする」つもりは全くありません。
 松代大本営追悼碑は建立から20年を迎えます。引き続き、松代大本営建設工事における歴史の真相に向き合い未来を志向したいと思います。

 なお、やり取りの中で、「必ずしも強制的ではなかった」と表記する根拠となった研究文献の提示を求めたところ、「『長野市誌』編集委員の一人の文献を根拠にした」と商工観光部長が応じ、かかる文献と記述を明らかにすることを約束しました。引き続き、検証したいと考えます。

 ところで、昨年11月段階に、庁内に設置された「検討会」の議事録等を情報公開請求しました。
 しかし、公開された議事録要旨からは、本質的な検討、真摯な検討を窺い知ることはできません。
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