6月定例市議会始まる

 6日から21日までの会期で6月定例市議会が始まりました。
 4億2400万円余を追加する一般会計補正予算案をはじめとする議案や承認・報告案件の27件が提案されました。

 初日には、任期満了を迎える監査委員人事について提案され、元総務部長の鈴木栄一氏を全会一致で選任しました。
また、市長等特別職の退職金を16%引き下げる条例改正案を即決で可決しました。いずれも同意・賛成しました。
 因みに、市長の退職金は現行の2,604万円から416万円余減額し、2,180万円余に。4年間の仕事に対する退職金としては、もともと“浮世離れ”している数字(?)…。議員には退職金がありません、念のため。

 さて、市長の議案説明からポイントを拾ってみると…
◆冒頭に職員の懲戒処分が続いていることに「深いお詫び」を表明。全体の奉仕者であることの自覚を強く促すだけでは抜本的な解決につながらない…。この議会中に、新たな消防局職員の不祥事が公表されます。規律感の喪失にいかに臨むのか、重い問題です。

◆長野市やまざとビジネス支援補助金には16件の応募。内、農産物の生産または加工事業が8件。今後、審査会を経て事業採択となりますが、中山間地域の活性化につながる事業展開が強く求められます。

◆H24年度決算見込みで、市税収入はトータルで対前年度比5億円減の570億円に。基金取り崩しは当初の34億円から6億円に圧縮できる見通し。年度末市債残高は対前年度比29億円減の1309億円に。「財務の着実な改善が図られた」とします。大規模プロジェクトが本格化する今年度以降の財政運営が課題でしょう。

◆都市内分権の推進…「各地区の実態を把握し、今後は地区個別に必要な支援へ」「住民自治協議会に対する監査では概ね適切な事務処理、改善を図ったところ」。住自協の受け止めとして「行政に管理されている」との声も。公金の扱いで監査はやむを得ないとはいえ、自立に対する阻害感を広げないことを願います。

◆新たに策定する「公共交通ビジョン」について、交通対策審議会に諮問し、審議会では「公共交通ネットワーク最適化部会」「公共交通利用促進部会」を設置し検討へ。庁内では副市長プロジェクトの位置づけに。

◆経営分離される北しなの線(長野以北並行在来線)への新駅設置…北長野駅と三才駅間の新駅設置へしなの鉄道と協議開始。

◆「長野市地球温暖化対策地域推進計画」の見直しに着手…再生可能エネルギーの導入を重要な要素に。「木質バイオマス資源の活用が最も有望」との認識。太陽光発電システムの設置補助は累計で5748件、7億4606万円に。1メガワットのメガソーラーシステム24基分に相当する規模に。

◆新市民文化芸術会館の芸術監督就任を久石譲氏が快諾…「最適な方であり、無上の喜び」。同感です。

◆子ども・子育て関連3法の施行を受け、H27年4月の本格施行に向け、「『子ども・子育て支援事業計画』の策定をはじめ準備に万全を期す」。放課後子どもプランの校内施設活用は55小学校区の内51校区で実施へ。

◆小中学校の耐震化事業…「計画期間はH31年度までだか、できる限り早期に100%実現に取り組む」

◆1,200万人観光交流推進プラン…前年より約3万7千人多い1,007万1,600人の観光客入り込みに。率にして0.4%増に。

◆サッカースタジアムの設計…「市民意見の中から反映することが可能な事項を精査し、11月までに完了の予定。早期着工をめざす」。「ACナガノパルセイロは現在2位で好調を維持、応援気運の更なる盛り上げに努める」

◆新庁舎・新市民会館の建設…順次入札を行っており、「本定例会に契約締結議案の追加提案を予定」。本体建設工事の1回目の入札不調には触れず…。

◆権堂B-1地区再開発事業…「建設本体の工事が発注に。引き続き事業の推進を支援」

◆中央通り歩行者優先道路化事業…第1期計画700mの内5割弱がすでに完成。「今年度中に7割程度の完成へ」

◆健康増進計画「新・健康ながの21」…中間年度にあたることから「65歳を起点とした平均自立期間」などの成果指標の達成状況を把握し、中間評価を実施する。評価結果を踏まえ、生活習慣病予防など具体的な施策の内容の点検へ。

◆公共施設の見直し…公共施設白書をできるだけ早く策定・公表し、「市民の理解をいただきながら、真に必要なサービスは何か、最も効果的、効率的な運営方法は何か、検討を進める」。白書の策定作業はどうも遅れているようです。

職員給与の引き下げ…「地方交付税が削減された以上、市民生活への影響を最小限にとどめるため、職員の給与を引き下げる苦渋の決断をせざるを得ない」とし、市職員労働組合に削減を提案。

◆任期満了まで5カ月、引き続き全力を尽くす…3月市議会での所信表明よりもトーンダウン?進退表明は参院選後まで“お預け“でしょうか。

 6月市議会は、国の経済財政方針の地方への影響、久石譲氏を芸術監督に迎えての文化芸術振興のビジョン、庁舎・市民会館本体建設工事の入札と契約、新交通システムの導入可能性、公共施設白書と施設の見直し、大規模プロジェクト事業の進捗見通し、中山間地域の活性化、新幹線の呼称と列車名の行方、地方自治体の自主性の侵害と職員給与の引き下げなどの問題が論点になると思われます。

 この議会は、一般質問がありません。同僚の池田市議が行います。

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