9月議会の質問より➌…ひとり親家庭の子どもの学習支援、希望者すべての受け入れを

 「9月議会の質問より」…シリーズ3回目、「ひとり親家庭の子どもの学習支援、希望者すべての受け入れを」です。

 長野市では今年度新規事業として、生活保護・生活困窮者世帯の子どもの学習支援、ひとり親家庭の子どもの生活・学習支援の取り組みを8月下旬から始めました。
 子どもの貧困対策の一環として取り組まれるもので、生活困窮者世帯やひとり親家庭の子どもに対し、基礎学力の向上のための学習支援、基本的な学習習慣の習得を目的とする事業で、期待を寄せている事業の一つです。
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希望者の35%の受け入れに留まる

 しかしながら、ひとり親家庭の子どもの学習支援は、予定していた定員60名に対し、大幅に上回る286名の申し込みがあったため、委託事業者であるトライと受け入れ協議を行った上で、抽選で95世帯99名に絞り込まれることになりました。切実な希望を抽選という「運」でふるいにかけるという手法もいかがかと思いますが…。
 
 支援を受けられる子どもは希望者の35%に留まります。

 予想を超える応募に、ひとり親家庭の相対的貧困率が56.4%といった背景があることを忘れてはなりません。

 【関連】160819「ひとり親家庭の子どもの学習支援…「支援希望者の3割に限定」が課題」

希望者すべての受け入れへ…4つの方策を提案

 市長は、初日の議案説明で「今後、できるだけ要望に応えられるよう方策を検討していく」と述べましたが、具体的な方策は示されていません。
 
 子育てと生計維持のための就労の負担が重くのしかかっているひとり親家庭の子どもたちに必要とされる支援を多面的に行っていくことが不可欠となっています。
 早急に希望者を100%受け入れられる事業にしていくことが重要です。
 
 私は、希望者のニーズに100%応えるためには、➊補正予算を組んででも受け皿を増やすこと。➋中学校区単位で公民館などを利用する教室型、教員OBや学生による学習支援の仕組みを構築すること。➌あるいは生活困窮世帯の子どもの学習支援と一体的に再構築することなど、具体的な検討の方策を示しながら、早急な対応を求めました。
 あわせて、➍高校進学に特別に対応する仕組みも必要であると主張しました。

部長…「補正予算対応は困難、議員提案も参考に新たな仕組みを検討」

 こども未来部長は、「補正予算での対応も含め委託事業者と検討してきたが、学習支援ボランティアの新たな募集や教室の確保などの点から、現在の学習支援方式ではひとり一人希望や家庭の状況に応じた支援を行うことは難しいと判断せざるを得なかった」と検討経過を述べました。 
 
 今後については「実施状況を確認するに中で、受講者の意見等を聞いて事業の検証をしたい。そのうえで、議員提案の4つの対応も含め新たな仕組みを検討したい」と答弁しました。

 まずは、生活保護・生活困窮者世帯の子どもの学習支援と合わせて、実施状況の検証に注目しつつ、希望者すべての受け入れの仕組みづくりをチェックしていきたいと思います。

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