長野市水道100周年

 28日午後、長野市水道100周年を祝う記念式典に招待され出席しました。
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 長野市の水道事業は、戸隠を水源とする貯水池の築造、往生寺浄水場の建設によって1915年(大正4年)4月から時から給水を開始しました。
 戸隠まで16㎞に及び険しい山道を切り開き導水管を運び上げ敷設する工事がいかに難工事であったかは容易に想像することができます。
当時の給水戸数は2615戸、1万100人だったそうです。現在では、犀川浄水場や夏目ケ原浄水場などの整備により約11万1500戸、約26万6000人に安全で安心な水道水を供給しています。

➡大正3年、戸隠水源に導水管を運ぶ【長野市水道100年の歩みより】

➡大正3年、戸隠水源に導水管を運ぶ【長野市水道100年の歩みより】

 
➡昭和3年、犀川での導水管埋設工事【長野市水道100年の歩みより】

➡昭和4年、夏目ケ原に工事用資材を運搬。犀川水源から夏目が原まで新たに道を開き送水管を埋設【長野市水道100年の歩みより】


➡昭和4年、夏目ケ原に工事用資材を運搬。犀川水源から夏目ケ原まで新たに道を開き送水管を埋設【長野市水道100年の歩みより】

➡昭和4年、夏目ケ原に工事用資材を運搬。犀川水源から夏目が原まで新たに道を開き送水管を埋設【長野市水道100年の歩みより】


 善光寺に隣接する城山公園の噴水が水道給水開始を記念して造られたことを初めて知りました。

 蛇口をひねれば水道水をおいしく飲むことができる…、日本では“当たり前”のことですが、水道水を安全に飲むことができる国は世界を眺めるとドイツやオーストリアなど10数カ国しかありません。
 フランカやイタリアでは、ワインよりペットボトル飲料水のほうが高いくらいですから。
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 水源があること、浄水場で安全な飲料水にまで浄化されていることに改めて感謝しなければなりません。

 水道事業は、節水意識の高まりによる水需要が低下する中、幹線管路の耐震化や老朽管の更新をはじめとする既存施設の維持管理が課題となっています。
 このための事業費は、基本的に市民が負担する水道料金によって賄われることになります。受益者負担としてどの水準まで負担することができるかということも大きな課題となっています。
 
 式典では、S29年(1954年)以来、水道管の敷設をはじめ排水設備工事に尽力し、水道普及や災害時の水道の早期復旧に貢献している「長野市水道工事協同組合」に感謝状が贈られるとともに、水道100周年を記念した絵画や写真のコンクールの入選作品の表彰式も行われました。
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 記念講演では、信州大学地域戦略センター長で人文学部の笹本正治教授が「善光寺の七清水―日本人の水に対する意識―」と題して講演。
 箱清水という地名が残っているように善光寺の周りには七つの清水があり、水信仰として善光寺の神聖性を象徴させているとのこと。戸隠神社をはじめ諏訪大社、穂高神社も「水に対する信仰」に由来しているといった興味深い話を聴くことができました。

 自然の恵みである「水」がいかに貴重であるか、そして「飲める水道水」がいかに貴重であるかを改めて痛感した水道100周年です。

【参考】「水の大冒険」H27年版~長野市の水道と下水道のしくみ~(小学4年生に配布)
 

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