「何のための先行販売」苦情相次ぐ…プレミアム商品券

 午前8:45段階で「完売予告」…。

 16日、長野市の「ながのプレミアム商品券」の先行販売が子育て世帯や高齢者、障がい者を対象に始まりましたが、販売開始の10時を待たずに「完売」となり、「並んだのに買えない」、「10時前に会場に到着したのに既に完売で買えず」という事態となり、「何のための先行販売」といった苦情が相次ぎました。
 私も、「ビッグハットに9時過ぎに行ったのに買えなかった。現場でのアナウンスも不十分」といった苦言・苦情を、午前中の時間帯で、障がい者の方、高齢者の方ら3人から頂きました。
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 市の産業政策課長や運営主体である市商工会議所に、苦情を伝えながら今後の善処を求めました。

 市では、飯山市や中野市での混乱を教訓に、事前の手立てを講じたようですが、予想を上回る人出に混乱を避けることができなかったようです。市や商工会議所には苦情電話が殺到しているとのことでした。

 夕方のニュースで発売会場での人出ぶり、会場周辺の渋滞ぶりを見ました。正直、「予想を超えて凄い」というのが印象です。

 気の毒なのは、障害を持つ方や後期高齢者の皆さんです。
 ビッグハットや南長野総合運動公園まで足を運んだにもかかわらず、9時前には完売状況となってしまい、購入できずじまい。「何のための先行販売なのか」といった不満や怒りは尤もです。
 市も商工会議所も、並んだが購入できなかった人、会場に到着したが既に完売で購入できなかった人の数を把握していないとのことでした。何か対応が考えられなかったのか、検証課題の一つです。

 対象限定の先行販売を行った自治体は、県内では塩尻市・伊那市と長野市の3市のようです。私は、対象限定の先行販売方式はベターであったと考えていますが、すべてに代理購入を認めた点において配慮を欠いたのではと思います。障害者や高齢者向けでは必要な対応なのですが…。

 高齢者の保険証のコピーを大量に持参し買い求める「代行業」を疑われるような購入者もいたとか…、先行販売の配慮が代理購入を認めたことで裏目に出たということでしょうか。

 今後の課題として、対象限定での事前予約制、或いは抽選制の検討、先行販売額8億円の設定や購入限度額の検証など、不公平感を生まない対処方が求められます。

 18日からの一般販売は本人のみの購入となりますから、代行が横行することはないのでしょうが、それでもかなりの混乱が予想されます。

 なお、明日17日まで予定していた先行販売は、本日完売のため行われません。明日、会場に行く市民がいるかもしれないことから、現地会場での対応もお願いしました。

 それにしても、プレミアム商品券をめぐる大混乱の背景に、広がる所得格差があることを見過ごしてなりません。
 「商品券」という名の現金支給方式、しかも早い者勝ちという手法で良いのか、根本的に考え直すべきでしょう。

 安定した所得の確保、暮らせる年金の支給など、格差を是正する政策展開こそ必要です。

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