3月定例会・質問より➊…おでかけパスポート、利用者負担200円上限を提案

 6日に行った一般質問から、質問の要旨と市側の答弁をまとめました。
 まずは、「おでかけパスポート事業の見直し」についてです。

高齢者の外出支援、バス利用促進を支える「おでかけパスポート」

 路線バスや市営バスを1回定額100円運賃で乗り放題という制度は、対象となる70歳以上の高齢者にとっては魅力的で画期的な事業です。

 市が提示したおでかけパスポート事業の見直しは、利用者の最低負担額を100円から110円に引き上げ、乗車距離に応じて30%を利用者が負担するというもので、今年10月からの実施を予定しています。

 おでかけパスポートの事業を安定的に続けるためには距離制の導入はやむを得ないと考えていますが、利用者の負担を軽減し、事業の目的である高齢者の外出支援を通して健康づくり、生きがいづくりを促進するため、最低負担額は100円を維持し、200円を上限とすることを提案しました。
【参考記事】20150218「おでかけパスポート利用者負担…最低110円で、距離制運賃導入へ」

「上限額の設定を検討」

 代表質問が行われた5日、新友会の議員の質問に市長は「急激な負担増を軽減するため、例えば、上限を設定することを検討する」と答弁しました。

 「例えば」という想定形ではありますが、この答弁を評価したうえで、具体的な上限に踏み込んで質問しました。

「最低100円維持・上限200円」を提案、市長の英断求める

 実は当初、平均運賃300円の設定に鑑み「300円を上限」とする案を考えていましたが(正直な処)、市長が示した「上限設定の検討」では、現実的に最大負担額が300円を超えるということはないであろうとの判断から、現行負担額の2倍、200円を提案したものです。

 あわせて、利用者負担を段階的に引き上げる経過措置の導入も提案しました。

 見直し原案では、一律30%の利用者負担で、1000円の運賃で300円の負担ということになりますが、長野駅から戸隠中社までは370円、鬼無里までは360円、善光寺大門から信州新町・大原橋までは420円、新町中学校までは390円となります。いずれも3倍以上です。

 一律30%の利用者負担の統一基準に合理的な根拠があるわけではありません。
 つまり、市長の政策判断の範疇にあるものです。しかも、おでかけパスポート事業は「特別な財政事情」として特別交付税措置されていますから、特別の対応があってしかるべきなのです。

 高齢者の外出支援、健康寿命延伸、公共交通の利用促進という観点から、市長の英断を求めました。

市長…「上限額を設定し、理解され利用される仕組みにしたい」

 市長は、「100円の最低負担額の維持」については、「すべての利用者に一定の負担をいただくことが望ましいとの考えから、最低負担額を10円引き上げ110円としたもの」と答弁。

 「上限設定」については、「料金の決済はICカードの導入により多様な設定が可能」であることから「負担感を軽減するため、上限額を設定するなど、新たな料金体系について、市民から理解され、利用してもらえる仕組みとする」と述べました。

 200円の上限設定には、直接言及しませんでしたが、上限の設定額と料金体系の具体はこれからが課題です。

 3月17日からの福祉環境委員会における論点の一つになります。

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