11月議会運営委員会の視察より[その3]…学びたい点・活かしたい点

 議会活性化に向けた3つの市議会の取り組みの視察を通して、長野市議会の取り組みに活かしたい点をまとめてみました。かなり一般論ですが…。

★視察から学びたい事柄(議会運営委員会委員としての意見として)

1.議会報告会の今後の在り方について
 議会報告会の取り組みは議会ごと様々であり試行錯誤が繰り返されている状況といえる。言い換えれば議会報告会に固定的・画一的なパターンはないということであり、市民が参加しやすい報告会、市民が意見を言いやすい報告会、政策立案につながる報告会、もう一度行きたくなる報告会というあり方に心を配る必要があるということだろう。
 そうした観点から、報告よりも懇談という形で意見交換を重視する取り組み、平日・休日など開催日に関する試行、開催回数、開催場所などについて、柔軟な思考と取り組みが求められる。議会報告会だから報告が主という固定的な考えから脱却する必要がある。
 共通する課題は、参加者の増、とりわけ若年層と女性の参加である。「苦戦している」との声に象徴される。学生を対象にした議会報告会であるとか、子育てをテーマに女性や子育て世代を対象とする議会報告会といった工夫が求められる。
 報告会の市の主要施設や公共交通機関・主要駅へのポスター掲示、議員によるチラシ配布・宣伝にも取り組みたい。
 さらに、議会報告会の開催にあたり、長野市議会としての開催要綱(要領)を整理しまとめていくことも必要である。ただし、もう少し回を重ねた結果でよいであろう。
 いずれにせよ、1回目の議会報告会に寄せられた参加市民の意見をくみ取り、充実させていくことが肝要である。

2.委員会のインターネット中継について
 長野市議会では新庁舎建設に際し導入を検討するとしている課題である。市民のアクセス数の評価は難しいところであるが、開かれた市議会として情報発信していくツールを増やすことは重要である。
 システム導入にあたり、映像・音声・テロップ等自動化されたシステムを多角的に検討し、議会事務局の負担増につながらない対応が必要である。また、導入コスト・管理運営コストも慎重に検討する必要がある。
 また、インターネット中継における不適切発言の扱いなどルールを明確化するとともに、議事録との整合性にかかわる修文の基準作りも必要である。
 いずれにしても、本会議中継システム(サーバーを含め)と合わせ、連携できる委員会中継システムの導入に向け検討を急ぎたい。

3.市議会ネットワークの構築について
 ペーパーレス、情報化の具体化に向け、新たに導入検討課題としたい。整備されている庁内LANをベースに議会事務局としてのサーバー経由で、議員が情報共有できる仕組み、議員への情報伝達の仕組みを構築したいものである。

4.予算・決算の審査について
 活性化検討委員会では決算特別委員会の役割に関し、次年度予算案に反映できる決算審議の必要性が課題とされてきた。また、市民ネットとしては、予算と決算の一体的審査によりチェック機能を高めることも提案してきているところである。
 横須賀市議会の予算・決算常任委員会方式は、参考にしたい。因みに堺市議会は予算審査と決算審査をそれぞれ全議員による特別委員会方式をとっている。いずれも、決算と予算の一体的な審査を通じ、より監視・評価機能を強めることを目的としている。
 決算審査の結果を次年度予算編成に反映させていくためにも、決算審査について、限られた特別委員会の審査ではなく、予算案と同様、常任委員会に分割付託し審査する方法を試行できないか、検討したいものである。

5.議員研修について
 会派毎に様々な研修が行われているところであるが、市議会全体の共通認識を醸成していく観点から、議会基本条例に関する研修はもとより、政策研修にも取り組みたい。また、堺市議会の市当局の職員研修の活用も検討してよいであろう(若干行われていると思うが)。

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