新型コロナの追加支援…21.3億円の補正予算を市長専決

長野市は30日、新型コロナ感染症対策の追加支援策として21億3,092万円の補正予算を市長専決処分で決め発表しました。6月定例会には時間的に間に合わなかったものです。本日午後2時に情報解禁となりました。

専決処分とは、本来、議会の議決・決定を経なければならない事柄について、市長が地方自治法の規定に基づいて、議会の議決・決定の前に自ら処理することをいいます。議会としては9月定例会で承認することになります。

臨時議会を開き議決するという方法がありますが、定例会直後でもあり、専決処分はやむを得ない処でしょう。

市では6月専決補正予算公表にあたり、新型コロナの第2波、第3波に備えつつ、「新しい生活様式」に移行するとともに、市内経済の回復に向け、市民の暮らしや事業者への支援に重点を置いたとします。

6月補専決補正により、市としての新型コロナ対策の経費は合計で418億4,037万円となります。

21億3,000万円の財源は、国庫支出金がほとんどで、国の地方創生臨時交付金の追加分31億円の内、第一段階として14億4,300万円を投入します。また、クラウドファンディングで1,000万円(医療従事者の支援事業に充当)のふるさと応援寄附金を見込んでいます。

支援のメニューが拡大されました。主な支援事業を紹介します。

なお、詳細は7月7日の市議会・政策説明会での報告となります。

6月専決補正予算のポイント

長野市の公表資料より

感染予防やテイクアウト・デリバリーを支援する「Withコロナ事業者応援プロジェクト」に2億3,000万円

商工団体や商店街団体、業界団体などが行う感染予防の取り組みやテイクアウト・デリバリーの推進、消費喚起策などソフト事業を支援する補助金と、個別事業者向けに店舗や事業所の感染予防対策経費(フィルムや間仕切り等の設置、換気扇の増設、座席の間引き等による改修費用など)として補助率4/5で上限20万円、テイクアウト・デリバリー用のカウンター設置や配達用の自転車・バイク購入費等への支援として補助率4/5で上限20万円をパッケージにしています。

路線バスの運行支援に6,400万円

通勤・通学時間帯のバス運行便数や通院等の移動手段を確保するため、バス事業者が運行する自主路線継続を支援するもので、長電バス・アルピコ交通の30路線を対象とします。

国交省の補助金路線の運行経費単価をもとに運行キロに合わせた支援金となるようです。

「路線バスの運行継続奨励金」との受け止めです。

新型コロナ禍のもと、市民の足を守るため、休業せずに運行継続する公共交通事業者に対する支援となるもので、ようやく実現の運びとなりました。

十分かどうかの評価は別となりますが、例えば、収入ゼロとなった都市間・高速路線バスへの奨励支援という仕組みは考えられないでしょうか。

県では審議中の6月補正予算で、感染防止対策を講じる「安全・安心なバス・タクシー支援事業」として、国臨時交付金を活用し、バス事業者10万円/1台、タクシー事業者2万円/1台(下限額10万円/事業者)を支援する事業を盛り込んでいます。

県と市の支援により、運賃収入の激減に伴う事業継続の危機にあって、不採算路線等の廃止・減便を回避し、都市インフラである公共交通ネットワークの維持に効果的にかつ前向きにつながることを強く期待したいと思います。

学生への支援に4,800万円

県外に進学した市出身の学生や、県外から長野市に進学している学生を対象に、5,000円分の本市特産品を贈ることに。特産品の中身はまだ不明ですが…。

観光誘客を図るため3億2,500万円

旅行会社が行う本市への誘客活動で1人1泊あたり5,000円を支援する送客事業支援に2億800万円、ホテル・旅館などの宿泊事業者に対し、施設の客室数に応じ、1施設当たり10万~200万円を交付する事業6,290万円、インフルエンサー(ここでは、SNSやYouTube上で多くのフォロワーを持ち影響力の強いブロガーやユーチューバーのことを指す)を活用しアウトドアや収穫体験等を配信し誘客につなげるプロモーション事業の支援に5,000万円(事業手法は不明)などか内容です。

廃業の危機にある貸切バス事業者等への支援として有効となるのか、要調査です。

文化スポーツなどのイベント支援に1億8,100万円

エムウェーブ・ビッグハットでのイベント主催者への補助金4,200万円(利用料金の3/4、シャトルバス運行費の1/2)やエムウェーブでのドライブシアター開催費への支援200万円、10月~3月にかけて計画される街歩きイベントやフードイベントの開催費として1億円、長野市芸術館アクトスペースを活用したWEBフェスの開催費1,700万円、AC長野パルセイロや信州ブレイブウォーリアーズの無観客試合の施設使用料支援として1,067万円などが内容。

ひとり親世帯支援に5億円…児童扶養手当受給世帯へ市独自に1万円上乗せ

国の2次補正に盛り込まれた「ひとり親世帯臨時特別給付金」は、児童扶養手当の受給世帯に5万円を支給、第2子以降は3万円を加算するのに加え、児童扶養手当を受け取っていないひとり親世帯も含め、収入が大きく減少した場合に5万円が追加支給されるもので、4億7,800万円を計上。

市独自の支援として、児童扶養手当受給世帯を対象に1万円上乗せ給付することが盛り込まれました。

指定避難所や公共施設の感染予防備品購入に1億5,300万円

指定避難所にプライバシーウォールや簡易シャワー、仮設トイレを整備する経費や公共施設(88施設)にサーマルカメラや非接触型体温計を備える経費とされます。

大雨による水害や土砂災害が懸念される中、避難所のコロナ対策は喫緊の課題です。どの程度に行き届くのか、要チェックです。

児童センターの遊戯室等の床にマットを張り、居室仕様とする経費1,029万円

生活困窮者住宅確保給付金で5,400万円追加

5月補正で282万円を見込んでいた事業ですが、2カ月間で想定した20件の3倍を超える申請受理に。増額補正を要望してきた課題の一つで、生活困窮が急速に進む中での対応になったものと受け止めています。

新型コロナ感染症対策の影響で、「休業等に伴う収入減少により離職・廃業と同程度に至り、住居を失う恐れが生じている市民」を対象に家賃を支援する住...

帰国者・接触者外来の市内5病院への支援等に7,630万円

新型コロナの第2波感染拡大を防止するため、帰国者・接触者外来を開設している市内5つの病院をはじめとする医療機関や地域包括支援センターでの物資購入を支援するもので7,630万円を盛り込んでいます。

国の2次補正における医療機関・医療従事者支援とのすみ分けの内容はこれからチェックです。

妊婦に対するPCR検査支援に1,375万円

PCR検査を希望する妊婦に対し、主治医と相談の上、分娩前に1回を限度に検査費用を助成するものです。

クラウドファンディングによる医療従事者支援に1,000万円

新型コロナ感染症患者と向き合う医療従事者を応援するもので、ふるさと応援寄附金を活用したクラウドファンディングを財源とします。「患者と向き合う医療従事者」に限定されているようで、医療従事者における線引きに注意でしょう。国の支援では「感染者対応」と「感染者対応以外」の医療従事者に格差が持ち込まれていて、弊害を危惧しています。

就学援助世帯の休校中の昼食費支援に3,062万円

小中学校の臨時休校期間の食費負担を軽減するため、就学援助(準要保護)世帯を対象に、給食費相当額を支援するもの。対象期間は4月13日から5月29日までの間とされます。

小中の校外活動や修学旅行でのバス増車分の支援1億1,085万円

小中学生の心のケアのための校外活動や修学旅行で、3密回避のためのバス増車分の経費を支援する事業となります。子どもたちの校外活動での安全確保のための事業費です。

小中校の感染予防・保健衛生用品や休校中の家庭学習教材の購入費等に1億6,500万円

文科省の緊急対策パッケージ(補助率1/2)を活用した事業で、感染予防の備品・用品確保に充てる経費と休校中の家庭における効果的な学習教材の整備に充てることになります。手指消毒液の備蓄も含まれます。

支援に隙間が無いようチェックし、さらに提案へ

今回の長野市の専決補正予算案は、緊急対応で議会の議決を経ないことから、きめ細かくチェックできないところがあります。

今後、それぞれの事業要項等を検証するとともに、効果のほどを見極めていくことが重要です。

国の2次補正予算、県の6月補正予算、そして長野市の今回の6月専決補正予算に盛り込まれた支援事業を網羅的にチェックし、支援対象に隙間が生じないようチェックし、国臨時交付金の活用(残る16億円)を見据え、さらなる提案につなげていきたいと考えます。

例えば、煙火事業者や露天商の皆さんへの支援、4月27日基準日となった特別定額給付金で、4月28日以降に生まれた或いは生まれる新生児を対象にした支援、公共交通分野では長野電鉄やしなの鉄道の鉄道事業者への支援、感染リスクに向き合い仕事を続けるエッセンシャルワーカーへの支援として、医療従事者や介護従事者のみならず、バス・タクシーの交通従事者への個別支援なども考えたいところです。

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