会計年度任用職員制度の課題を質す【3月議会の質問➏】

2016年に実施した総務省調査によると、自治体で働く臨時・非常勤職員は全国で約64万人とされ、いまや自治体職員の3人に1人が臨時・非常勤職員で、長野市も同様です。

職種は行政事務職のほか保育士、学校給食調理員、看護師、保健師、医療技術者、各種相談員、図書館職員、公民館職員、学校教育など多岐にわたり、その多くの職員が、恒常的業務に就き、地方行政の重要な担い手となっています。

こうした状況を受け、2017年5月に地方公務員法及び地方自治法の一部改正法が成立し、新たに「会計年度任用職員」制度が2020年度から導入されることになりました。非常勤職員を法的に位置づけるとともに、職務給の原則に基づき、常勤職員との均等待遇が求められているところです。

雇用の継続、常勤職員との均衡求められる会計年度任用職員

現在、本市では嘱託1108人、パート502人の一般職非常勤職員が任用され、本市の行政運営を支えています。非常勤職員の新しい制度となる会計年度任用職員制度により、同一労働同一賃金、職務給の原則に基づき、常勤職員との均等待遇が進むことを期待する一方、嘱託・パート職員である一般職非常勤職員を職種や業務内容に照らしてフルタイムとするのか、パートにするのか振り分けることで、財源確保の観点から、期末手当の必要のないパートタイム会計年度任用職員を増加させることにつながらないかが懸念されます。

職場長の下で行われた、嘱託職員のみを対象とした「移行後の勤務条件等に関する調査」においても、勤務形態についてパート化の選択肢を重視しているようにうかがえます。

12月議会では池田清議員の質問に対し、新しい制度の導入にあたり、非常勤職員が行政運営に不可欠な存在であるとの認識を示したうえで、「経験・スキルを活かし雇用継続を基本に制度移行を図る。給料水準については国のマニュアルに沿って常勤職員との均衡を図る観点から見直す」と答弁。この基本姿勢は評価するものの、移行時には客観的な能力選考が必要であること、また長期雇用が身分や処遇の固定化につながることに留意することが求められているとされた点がなお気がかりではあります。

フルタイム任用職員への移行に重点を

調査結果を踏まえ、勤務時間を切り分けてパート会計年度任用職員を増大させる方向で制度移行が図られるのか、否か。勤務実態や職務内容に応じ、より積極的にフルタイムでの任用を位置づけるべきと考えから、対応方を質しました。

新しい制度では、パートタイム任用職員には期末手当が支給されず、財源を圧縮することができます。

総務部長は「国の事務処理マニュアルの趣旨に沿って、正規職員と同一の勤務時間が必要な場合はフルタイムの会計年度任用職員とすることを検討している。多様な働き方が求められており、こうした需要にも対応していくためには、4時間、6時間といったパートタイムの設定も必要であると考える。同一労働同一賃金の考え方、人材の確保などの観点から、単にパートタイムの職員を増大させるといった考えではなく、業務量や働き方の状況を踏まえ、適切に制度移行を図っていきたい」と答弁しました。

➡原則的にフルタイムの移行を重視するという理解でよいのかと再質問しましたが、「非常勤職員の勤務実態の調査結果を踏まえ、会計年度任用職員の形にいかに割り振るのか。割り振るというより、当てはまっていくのかというところをただ今検討しているところ。その中で、適切に判断していきたい」と述べるにとどまっています。

財源確保…状況に応じ一般財源で対応

フルタイム会計年度任用職員制度への移行により、新たな財源確保が必要となります。市では地方交付税措置を期待しているものと考えますが、制度移行までに十分な措置が示されない場合、一般財源で対応する考えで臨むのか、否かを問いました。

総務部長は「国のマニュアルでは、地方財政措置についても適切に検討を進めていく予定としているが、具体的な財政支援策は示されていない。状況に応じ一般財源で対応していく必要もあるものと考える」と答弁しました。

非常勤職員への十分な事前説明を

現在の非常勤職員の皆さんへの説明について12月期議会では「当事者の皆さんが不安にならないよう対応したい」とする一方、「説明会開催について約束できない」と答弁しています。

現場では非常に不安が高まっています。市職労が開催した説明会には180人の職員が参加しています。説明会を早期に開催し、当事者の皆さんの意見も踏まえながら制度移行を準備すべきと質しました。

総務部長は、「本市の非常勤職員は、総数で1,000名を超える規模であることから、全ての職員が集合する形での説明会は難しい。今後、制度の詳細を決定した段階で説明の必要が生じるものと考えており、各所属の所属長を通じて説明をし、意見を伺う方法を検討している」と答弁するにとどまりました。

➡所属長を通じた説明では、所属長の制度に対する理解の如何により、適切な対応ができないことも想定されます。この点をフォローするためにも、労働組合が果たす役割が問われることになるでしょう。いずれにせよ、説明の在り方について、状況を把握し、職員の皆さんの不安が解消されるよう、或いは問題が解決できるよう対応を図りたいと考えます。

9月議会に条例改正案を提案

条例議案の提出時期については、「9月市議会定例会に提出する予定で準備を進めている」とし、新制度による職員募集についいては、「予算措置を伴うことから予算編成と並行して作業を進める必要がある。例年2月以降に募集しているスケジュールを前倒しする必要があるものと考え、条例整備後の本年10月以降に示せるよう調整していく」としました。

学校給食センターの調理員、嘱託職員の処遇・身分はいかに保証されるのか

学校給食センターの調理員の皆さんの処遇改善と新制度移行への対応についても質問しました。

学校給食センター調理員の給料は140,280円でなんと18年間据え置きのままです。一方、同センターの一般事務臨時職員は5000円の引き上げとなっています。職種が違うとはいえ、安全・安心な学校給食の提供を支えてもらっている嘱託職員の処遇改善は早急に行われるべきと質しました。また、会計年度任用職員制度への移行にあたり、現業職とはいえ専門性のある調理員の皆さんの任用形態はどのように変わるのか、変えるのか、見解を問いました。

教育次長は「調理員については、勤務時間が1日6時間45分と一般事務職員よりも1時間短いため、時間当たりの金額が事務職員より高く、加えて高校卒業程度の正規技能労務職員の初任給月額の時間当たりの金額と同水準となっていることから、これまで改定をしてこなかったもの」と説明し、「正規調理職員よりも勤務時間が短く、業務内容にも違いがある嘱託調理員は、処遇内容や人材確保の観点から賃金を見直した看護、保育などの専門職とは状況が異なるものと考えている」としたうえで、「今後、嘱託調理員の処遇については、会計年度任用職員制度の導入の中で、賃金を含め改めて検討していく」と答弁しました。

嘱託調理員の会計年度任用職員制度導入後の任用形態については、現在1日の勤務時間を作業が集中する時間帯の6時間45分としているため、国の事務処理マニュアルではパートタイムの職に位置付けられる」との認識を示したうえで、「具体的な任用形態や勤務条件の検討は、学校給食の安全、安定的な提供の確保を前提に、現場の混乱や職員に不安の無いよう配慮をしながら、市長部局とも十分連携して検討を進めていく」と答弁しました。

➡予想された答弁なのですが、非常勤職員の皆さんに不利益とならないようしっかり対応することを求めてきたところです。

➡総務委員会の中で、さらに取り上げるつもりでしたが、委員会審査の時間が大幅に超えてしまったことから、やむを得ず割愛しました。市側の検討状況を引き続きチェックし、働き方改革の問題と合わせ、対応方を検討していきたいと考えます。