12月市議会定例会始まる

 久々の更新です。

 先週来、2日間にわたる「まちづくり・公共交通対策特別委員会」での論議や「議会運営委員会」での議会活性化に向けた議論、そして都市内分権審議会での行政側提案と審議の状況、今週に入ってからは、28日の連合長野主催の公契約条例研修会、昨日29日に名古屋で開かれた私鉄総連中部地連の議員団総会など、「ブログに」と思いつつ、サボってしまいました。これから、順にまとめて報告したいと思います。

 さて、今日から改選後初めての12月市議会定例会が始まりました。10億4千万円余の一般会計補正予算案をはじめ、児童館・児童センターの開館時間の延長や老人福祉センターでの講座受講料の有料化、公的施設への指定管理者の指定に関する条例改正案など51の議案が提案されました。会期は12月16日までの17日間です。

 この議会冒頭で、11月5日に逝去された故伊藤将視議員の追悼式が行われました。出席されたご遺族の姿は痛ましい限りです。党派は異なりますが、市政への情熱をかけ若くして初当選し、前途ある議員の一人であっただけに、何とも悔やまれます。改めて心から深く哀悼の意を表します。

 鷲澤市長の冒頭の議案説明から、今議会で論点になると思われるポイントを若干のコメントを付して整理すると…。

➊ 住民自治協議会の事務局長設置に対する財政支援について「任期が比較的短く1、2年で代わる会長等を事務局長が補佐することは、協議会活動の継続性を担保し、将来に向けての自立を促していく効果を期待できることから、前向きに検討」

 ⇒11月21日の都市内分権審議会では、住自協連絡会の論議を経て、事務局長の設置について「不可欠」との認識を示した上で、「1地区年額120万円を上限とする事務局長雇用経費に対する財政支援制度を創設し、2年間の実証実験を行う」といった基本的考えが示され、了解されているのに、まだ「前向きに検討」ですか?具体的な内容を示すべきでしょう。

屋代線跡地の一括・無償譲渡の申し入れに対し「今後のまちづくりを進めていくためには、駅舎や鉄路敷などの後利用が重要…今後、沿線3市で事務的な調整を行いつつ、沿線地域や長野電鉄と十分に協議し、地域活性化に向けた跡地活用の検討を早急に進める…跡地の取得は、跡地活用の検討と併せ、土地の状況や付帯する鉄道施設などをよく精査した上で、長野電鉄と協議する」

 ⇒どんな有効活用ができるかの検討がまず必要との認識は理解しますが、極めて慎重な言い回しの裏で、部分的な虫食い譲渡や鉄路等を撤去しての譲渡の可能性が強まっていると観るべきでしょう。須坂市や千曲市の動きに引っ張られた結果でしょうか。鉄路として有効活用できる可能性を担保する道筋を作ることが第一の課題です。

➌ 現在56校区中44校区で実施している放課後子どもプランは「新年度は新たに7校区での開設に向け鋭意準備」。条例改正案を提案している開館時間の延長について「年明け早々から延長利用希望者の募集を始め、来年度4月からスムーズに実施できるよう準備」

住宅リフォーム補助事業は「来年度も実施する予定で、予算額等については(12月からの)第2回目の受け付け状況も見て判断」

➎ サッカーJFLのAC長野パルセイロのホームスタジアム整備について、「南長野運動公園総合球技場の改修を前提に検討を進める」

 ⇒AC長野パルセイロには頑張ってもらいたいのですが、改修費には約30億円かかるとされています。大型プロジェクトを一つ追加することになるわけで、将来負担の増大が懸念されることに。

中心市街地活性化基本計画は「H26年度末の新幹線金沢延伸とH27年度の善光寺御開帳を見据え、来年度から5年間の新たな2期計画を策定し、中心市街地の活性化を推進」

 ⇒この2期計画の素案の中には、H24年度末で閉校となる後町小学校の後利用について、「県短の4年制大学キャンパスとして検討する」方針が、いつの間にか盛り込まれています。市長が唐突に県短4大化キャンパスの受け皿として後町小跡地を表明したのは、長野市選出の県議との懇談会の場。議会には何の説明もありません。21日のまちづくり・公共交通対策特別委員会の審議で明らかになったもので、委員会では「慎重な対応」を求める意見が大勢です。

権堂B-1地区の再開発事業は「より良い案に見直した上で、再度、都市計画審議会に諮問する」

 ⇒これも特別委員会では、行政側は都市計画審議会での事業計画の否決は「丁寧でわかりやすい説明が不足していたため」としていました。「より良い案に見直す」というロジックではなかったように思えるのですが…。どんな「より良い案」が出てくるのか、まずは見極めましょう。

セントラルスクゥエアの長野五輪メモリアルパークの整備は12月中旬ごろに工事着手し、年度内に完成、来年4月オープンへ」「解体撤去するステージ跡地は試験的に大型バス駐車場として活用し実証実験に着手」

長野駅善光寺口整備は「年内に検討委員会からの提言をいただき、年明けには駅前広場のデザインを決定したい。今後、JRが策定する駅ビル整備計画との調整を図りながら、H26年度の新幹線金沢延伸までに整備を進める」。長野駅東口の複合交通センター用地は、観光バス等の乗降場・待機場として暫定整備、「来年度中に工事を完了させ供用開始したい」

 ⇒善光寺口・駅前広場の整備では3案示されていますが、市民への説明では事業費は何と「大・中・小」、概算では「60億・50億・40億」なんだそうです。こうした事業費も示したうえでパブリックコメントを求めるべきです。JRの駅ビル整備計画もJR側に早期の情報開示を求め、オープンで全体像を検討できるようにすべきです。

➓ 搬出を停止してきた放射性物質を含む下水道汚泥焼却灰について「時間の経過とともに放射性物質の濃度が下がってきたことから、今後新たに生ずる焼却灰は、セメント会社に順次搬出を再開」「搬出できなかった焼却灰は、当面、施設の建屋内で飛散防止策を講じて保管、国・県の動向を見ながら適切に対処」

 ⇒放射性物質の濃度の低下状況を検証し、議会として安全を確認する必要があります。保管方法も要チェックです。

市役所第一庁舎及び長野市民会館の建て替えについて、両施設の設計は槇総合計画事務所と市内企業枠である長野設計協同組合の共同企業体と契約締結し、「今月、基本設計に着手したところ」、「建設基本計画に基づき設計を進めるが、ある程度まとまった段階で、議会や市民に設計案を示し、意見を反映していきたい」。「市民会館は12月中に外壁解体に着手していく予定」。

合併特例債活用期間の5年延長について「延長自体は東日本大震災を踏まえた適切な措置であると考えるが、第一庁舎・市民会館の建設については、老朽化・耐震化対策が喫緊の課題であることから、計画に沿った着実な整備を図っていく」

 ⇒これまで市長は、合併特例債の5年延期活用について、「計画通りに進めるが、工期的な余裕が生まれるメリットはある」と “含み”を持たせた発言をしてきましたが、今日のトーンは、「合併特例債の活用期間5年延長は申請せず、粛々と計画を進めH26年度末完成を目指す」姿勢を強調したものとなっています。市民会館建設計画の見直しの声、十分な市民合意の形成を求める声を封じ込め・排除する意図があるのではと勘繰りたくもなります。この点が12月議会の最大の論点でしょう。

 第一庁舎の規模に関し、「支所業務の見直し」の検討結果について、一切触れなかったこともポイントです。あえて市長が説明すべき内容ではない程度の検討結果だったということでしょうか。現状維持を基本とする結果ですからね…。「支所機能を拡充することは財政負担が増大し限界がある」「地域総合事務所構想を凍結し27支所体制を維持する」方針が示されていますが、市民サービスの向上という視点から、しっかり吟味する必要があります。

 しかし、本来、本庁と支所の在り方の検討は、都市内分権を推進していく観点から市役所内分権をいかに進めるのかという観点と、住民自治協議会の自立的活動を支援する支所の役割の強化の観点、二つのことが問われていたはずです。その検討の一つの結果として、必要な第一庁舎・本庁の規模・面積が求められるものであったはずです。

 ところが、庁内検討では、観点が第一庁舎の面積問題だけにすり替えられ、「役割・機能の見直し」が「業務の見直し」に狭められたように思います。

 支所業務の見直しの検討結果については11月21日の都市内分権審議会の状況と合わせて改めて述べますが、結果、第一庁舎は総務省起債事業基準の16,000㎡の面積で基本設計していくことになりそうです。第一庁舎の建設費は約50億円から約65億円と15億円もの幅が設定されているわけで、建設費とのバランスで庁舎の規模を論じていく必要があります。

 12月議会の争点・論点…まだまだ課題はありますが、この12月議会では、市民会館建設基本計画の見直し、合併特例債の活用期限の延期措置に対する対応、第一庁舎の規模・機能に関わる支所機能の見直しの合理性、都市内分権の推進にあたっての住民自治協議会事務局長制度への支援体制、市役所内分権の今後の取り組みの方向性、屋代線廃止後のバス代替運行計画の実効性、鉄路の活用を含めた鉄道用地の有効活用、サッカースタジアムの整備の将来性と財政負担、さらにはTPPへの対応などが、大きな論点になると思います。

 6日から9日にかけて代表質問と個人質問が行われます。私は今回、本会議質問はありません。じっくり勉強しながら、委員会審議で頑張りたいと思います。

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